生体膜中の脂質のダイナミクスと相互作用の解析に基づく脂質ラフトの分子基盤の解明
Project/Area Number |
13J01127
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Living organism molecular science
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
安田 智一 大阪大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2014)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2014: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2013: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 脂質ラフト / スフィンゴミエリン / コレステロール / 重水素固体NMR / 蛍光寿命測定 / 蛍光異方性測定 |
Outline of Annual Research Achievements |
脂質ラフトは、スフィンゴミエリン (SM) およびコレステロール (Chol) を主成分とする細胞膜上のマイクロドメインである。本研究では、脂質ラフトを再現した人工膜の秩序液体相における脂質分子の動態を明らかにすることで、ラフト形成の分子基盤を解明することを目的とした。そのために、化学的手法 (有機合成) と物理的手法 (2H NMRや蛍光実験) を組み合わせて、原子・分子レベルから膜レベル、またミリ秒からナノ秒スケールに至る脂質の動態を広範に解析した。さらに、SMと一般的な脂質であるグリセロリン脂質の動態を多角的に比較した。 具体的には、蛍光寿命測定を行い、その結果を2H NMRと比較した結果、脂質分子の局所的な動態と膜全体の流動性が密接に相関していることが示された。また、均一と考えられたCholを含む2成分系膜においても、ナノ秒スケールでは2つのドメインが共存することが示唆された。これらのドメインの存在比を見積もると、SMはより多くのLoドメインを形成していることが推定された。これらは、測定原理上タイムスケールの長いNMRでは検出できないため、非常に重要な知見である。 さらに、より生体膜に近い環境でダイナミクスを解析するために、3種の重要な膜脂質であるSM、Chol、PCに着目し2H NMRを測定した。様々な3成分の組成比で測定した結果、脂質膜中で分離した2つの相における脂質の動的挙動はほぼ等しいが、分配比は組成比によって変化した。また、蛍光顕微鏡によって3成分系膜中の分離した2相の面積比を見積もった結果、SMはより多くのLoドメインを形成していることを明らかにした。 このように、ラフトモデル膜中の脂質の動態を広範に解析することで、生体膜における脂質ラフト形成時に重要な機能の分子基盤になっているSMの特異的要因を明らかにした。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)