移住・越境による在日ムスリム女性の信仰と実践の変容についての研究
Project/Area Number |
13J01203
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Religious studies
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
川崎 のぞみ 筑波大学, 人文社会科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2014)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2014: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2013: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 日本人ムスリマ / 第二の改宗 / ネットワーク / 在日ムスリム / モスクの機能分化 / 社会的関係 / 信仰的基盤の形成 / コミュニティ |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度の研究の成果は、本研究課題の当初の目標である日本人ムスリマの信仰と実践の変容について、個別具体的なインタビューをもとに、その過程と要因を明らかにしたことである。 具体的には、在日ムスリム家庭の母親と娘を調査対象として設定し、それぞれが結婚・誕生によって受動的にムスリムとなったのちに、それぞれのライフコースの進展によって経るムスリム・アイデンティティの変容を探った。母親である改宗ムスリマは主にムスリムとしての子育てや多文化家庭と外部社会との間で媒介者としてそれぞれに説明し交渉する役割を担うための知識宗特を第一段階として、彼女らのムスリマとしてのアイデンティティは形成され始める。その後、子供の成長や夫婦間関係といった個人的な内的課題に対して、夫から与えられた価値観ではない自己の信仰心を形成していくことがわかった。また娘については、親の期待や父方母国との往還の経験、学校における交友関係などを通じて自己のアイデンティティの二重性に対する葛藤を経て、その二重性を超越する視点として信仰をとらえ返し、ダブルであることの上位にムスリムであることという価値観を置き、その葛藤を克服する様子が看取された。 また、こうした信仰形成の過程においては、母親と娘のそれぞれの社会的ネットワークが重要な役割を果たしている。信仰の形成に重要な役割を果たしたそれぞれのアイデンティティについての葛藤の要因は前述のように異なっているが、いずれも境遇を同じくする人々との交流・共感がそれらを乗り越え、ともに新たなアイデンティティを形成する場として機能していることがわかった。こうしたネットワークは昨年度の研究において明らかにされたように、年齢や地域によって形成されており、それらはモスクにおける直接的交流およびインターネットでの間接的交流によって担われていることが指摘できる。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(2 results)
Research Products
(8 results)