ナチス期ドイツにおける「語り」の研究:ナチ党古参党員の自伝的手記の検討から
Project/Area Number |
13J01344
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
History of Europe and America
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
大曽根 悠 筑波大学, 人文社会科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2014)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2014: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2013: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | ナチ党 / 古参闘士・古参党員 / 自伝的手記 / 語り / ナチス期ドイツ / 古参党員 / 自伝(的手記) |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、政権獲得後、称揚・優遇もされ批判もされる存在であったナチ党古参党員の心性を、主にナチ体制初期における彼らの自伝的手記から把握することを目的とする。 本年度前半は、アメリカの社会学者Abelが1934年に収集した古参党員の自伝的手記から本特別研究員が抽出した論点をさらに整理しつつ、ナチ党員の闘争史としての手記の入手を試みた。しかし必要なマイクロリールの個別購入が叶わず、別の国内所蔵所から複写入手したもので代用した。そうしたところ、Abel収集の手記に一層注目する必要が生じた。というのもこの手記の執筆対象者はより広い意味での「古参党員」に設定されていることが浮き彫りになり、「古参であること」を巡る党員たちの複雑な態度が、この手記群においてより鮮明になると至ったからである。そのため、改めて「古参闘士」という概念自体を検討した。7月末から8月初頭にドイツ・ベルリンで、未公刊史料及び国内未収蔵文献を入手した。さらには、党内での党籍案件に関わる総統代理事務局文書、及びナチ体制下の省庁官報等を国内で調査した。その結果「古参闘士」規定の流動性が把握でき、また、「古参闘士」概念は、個々の党員によって依拠され、領有される性質の、いわば柔軟な概念であるという着想を得た。この論点については本年度9月の学会大会において研究発表を行った。 本年後半では、以上の点を念頭に置きつつ自伝的手記を総合的に整理した。「古参(闘士)であること」は厳密な意味での古参闘士ではない者によっても意識される参照点であったといえる。この点を中心とした検討結果は次年度日本西洋史学会大会で発表することが決定済みである。さらに3月には再度ベルリンにおいて補足的に必要史料を入手した。本年度調査・研究により、自伝的手記の「語り」の分析を中心として、総合的にナチ党「古参闘士」を検討する博士論文完成への準備が整えられたといえる。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)