分子間距離測定に基づく脂質二重膜中アンフォテリシンB複合体の構造解析
Project/Area Number |
13J01527
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Living organism molecular science
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中川 泰男 大阪大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2014)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2014: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2013: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | アンフォテリシンB / 固体NMR / 脂質二重膜 / 構造解析 / エルゴステロール / イオンチャネル / 表面プラズモン共鳴法 / 重水素化標識体 |
Outline of Annual Research Achievements |
アンフォテリシンB (AmB)はその強力な抗カビ活性と耐性菌の出来にくい性質により、発見から50年以上経た現在でも深在性の真菌感染症治療薬として広く用いられている。AmBは、真菌細胞膜中でエルゴステロール(Erg)と共にイオン透過性チャネルを形成し生理活性を発現するといわれているが、ヒト細胞膜のコレステロールとも弱いながらも相互作用するため副作用を示す。このような薬理学的重要性にもかかわらず、AmB-Ergチャネル複合体の詳細な構造は明らかにはなっていない。そこで本研究では、近年、脂質膜中における構造解析法として注目されている固体NMRにより、複合体構造の全容を明らかにすることを目的とした。本研究により複合体構造が明らかになれば、よりErg選択性を高めた優れた薬の開発につながると期待される。 本年度は特に、昨年度までに合成したF-AmBと13C-AmBおよび13C-Ergを用いたREDOR測定により分子間距離情報を取得することで、AmB-ErgおよびAmB-AmB二分子間の相互作用解析を行った。 まず、F-AmBおよび13C-Ergを用いたREDOR測定により平行型および反平行型で相互作用しているAmB-Ergの分子間距離をそれぞれ2点ずつ取得した。その分子間距離を制限情報とした分子力学計算により両者の結合様式を推定することに成功した。また、13C-AmBおよびF-AmBを用いたREDOR測定を行うことで3点のAmB同士の分子間距離情報を取得した。さらに、その分子間距離を満たすようにAmBを配置することでチャネル複合体中におけるAmB同士の相対配置の推定に成功した。 以上の実験から得られたAmB-ErgおよびAmB-AmBの相互作用を基に複合体の全体構造を推定することに成功した。本研究は脂質二重膜中で低分子が形成する複合体の構造を原子レベルで推定した初めての例であり、有機化学と固体NMRを組み合わせた本研究手法が膜環境下における分子間相互作用解析において有用な手法であることを示すことができた。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Axial Hydrogen at C7 Position and Bumpy Tetracyclic Core Markedly Reduce Sterol’s Affinity to Amphotericin B in Membrane2015
Author(s)
Nakagawa, Y., Umegawa, Y., Nonomura, K., Matsushita, N., Takano, T., Tsuchikawa, H., Hanashima, S., Oishi, T., Matsumori, N., and Murata, M.
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Journal Title
Biochemistry
Volume: 54
Issue: 2
Pages: 303-312
DOI
Related Report
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
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[Journal Article] Effect of sterol side chain on ion channel formation by amphotericin B in lipid bilayers.2014
Author(s)
Nakagawa, Y., Umegawa, Y., Takano, T., Tsuchikawa, H., Matsumori, N., and Murata, M.
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Journal Title
Biochemistry
Volume: 53
Issue: 19
Pages: 3088-3094
DOI
Related Report
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
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