デュアルイオン液体ゲートによる超低消費電力グラフェンデバイスの開発
Project/Area Number |
13J01678
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Electronic materials/Electric materials
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山城 祐介 大阪大学, 基礎工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2013
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2013: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | グラフェン / イオン液体 / バンドギャップ |
Research Abstract |
当該年度では、イオン液体ゲートを用いた電界印加方法で二層グラフェンのバンドギャップ形成を行い、その物性研究とデバイスへの応用開発を行った。 グラフェン上部にイオン液体を接触させ電界を印加することにより、0~235meVバンドギャップ制御が可能であることを電気測定から確認した。また、バンドギャップ形成による二層グラフェンの物性への影響を調べるため、電界強度を変化させながらラマン分光測定を行った。1600㎝^<-1>付近に観測される対称性の違う2つのフォノンピークの強度とエネルギーを解析することより、電界印加はKohn anomalyを介して光学フォノンのエネルギーを増減させ、また、対称フォノンと反対称フォノンの混成の強さに影響を与えることが分かった。これらの電界依存性は、バンドギャップ形成がバンド内電子遷移とバンド間電子遷移の強度を増減させることに起因する。 さらに、グラフェントランジスタの特性向上および低電圧化を試みる研究を行った。イオン液体に電圧を印加することによって生じる厚さ3~5nmの電気二重層により、イオン液体ゲートは300nmのSiO_2ゲート絶縁膜用いたバックゲートの200倍の効率で電界印加が可能であることが分かった。さらに、グラフェンを基板から浮かした構造を作製し、グラフェン下部に接触させたイオン液体ゲートで動作させることで、移動度・on/off比・動作電圧の改善を行った。結果、わずか3Vのゲート電圧動作で20の高いon/off電流比を得るデバイスを作製することが出来た。 当該年度の研究結果により、イオン液体を用いた二層グラフェントランジスタの物性と優れた特性を解明した。また、イオン液体を用いたグラフェン下部からの電界印加に成功したことにより、二つのイオン液体をグラフェンの上下方向から接触させた「デュアルイオン液体構造」作製が可能であること、そして、超低電圧デバイス実現への見通しを得た。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)