近代日本における台湾原住民への認識-日本統治期の台湾文学を中心に-
Project/Area Number |
13J01692
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
各国文学・文学論
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Research Institution | The Graduate University for Advanced Studies |
Principal Investigator |
簡 中昊 総合研究大学院大学, 文化科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2014)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2014: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2013: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | 台湾原住民 / 台湾文学 / 植民地文学 / 霧社事件 / 野蛮人 / 探検 / 佐藤春夫 / 魔鳥 / 霧社 / 生蕃 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は日本統治期の台湾文学を中心に、近代日本における台湾原住民への認識を解明するものである。近代日本の「土人」意識およびその意識における台湾原住民の位置づけを考察したうえで、昨年度は日本統治初期の渡台警察官と作家の作品を分析し、統治初期における台湾原住民への認識を定位することに努めた。 そして、今年度では霧社事件以降の日本人作家による原住民関連作品を分析した。1930年の霧社事件前の日本人作家は大凡、原住民と距離を保って、旅行者・外来者の目線を以て彼らをオリエンタリズム的に描いたが、その描き方自体は、原住民の内面に立ち入らなかったのである。それにひきかえ、事件後の作家はもはや霧社事件の象徴する「文明」(=日本人)と「野蛮」(=原住民)の二元対立的問題・意識を回避できなくなったため、事件以降の作品はほとんど文学で霧社事件の解決の道を探るものとも言える。一方、事件後の作家は多かれ少なかれ、植民地台湾に滞在した経験がある。作家の滞在体験と作品の関連性を究明するため、「公費で図書購入、私費で研究調査」という形で、大量な関連研究書を購入したほかに、2014年7月下旬に沖縄大学の又吉清盛教授と台湾山地の霧社・牡丹社でフィールド・ワークを進行した。また、2015年3月初め、台湾山地の原住民部落・「中原」に現地調査を行った。 その成果としては、①日本比較文学会・第50回関西大会(2014年11月22日)に論文「日本人作家の台湾原住民認識――中村古峡の『蕃地から』を例にして」の発表、②天理台湾学会 第25回記念大会(2016年6月末)に発表、天理台湾学報に投稿する予定、③研究論文の掲載「近代日本の台湾原住民に関する 二元的思考の提起―宇野浩二「揺籃の唄の思ひ出」を例にして―」(『総研大 文化科学研究』第11号、2015年3月)などがある。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)