水素結合ネットワークを形成する有機酸触媒の開発と不斉合成への応用
Project/Area Number |
13J02319
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Synthetic chemistry
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
阿野 勇介 中部大学, 分子性触媒研究センター, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2013
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2013: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 有機酸触媒 / 不斉合成 / 水素結合 / 加水分解 / 還元 |
Research Abstract |
有機強酸として知られるスクアリン酸は、2つのカルボニル基と2つの酸性プロトンを対称に有するため、水素結合の受容体あるいは供与体として振る舞うことのできる化合物である。本研究では、スクアリン酸のユニークな構造的特徴を活用したブレンステッド触媒の開発と、その有機合成反応への応用を目的としている。今年度は、触媒合成法の確立と適用可能な有機反応の探索に関して検討を行った。 スクアリン酸アミド触媒は、スクアリン酸ジメチルに対し、側鎖に用いるアミンとトリフルオロメタンスルホンアミドを逐次的に導入することで合成できる。トリフルオロメタンスルホンアミドの導入には、1当量のジブチルマグネシウムの添加が必要であることがわかった。 得られた触媒をα―ベンゾイルラクトンの加水分解反応に用いたところ、目的の反応に続いて脱炭酸が進行し、対応するアルコール生成物が得られた。一方、メタノール中で同様の反応を行うと、対応するメチルエステルが得られることがわかった。他のエステルの加水分解も試みたが、触媒活性は見られなかった。 スクアリン酸アミド触媒と金属試薬を組み合わせた不斉反応の検討も行ったところ、ケトン類のボラン還元において不斉誘起が確認された。また、不斉誘起にはヒドロキシ基の酸性プロトンが必須であることがわかった。 以上のように、スクアリン酸アミド触媒はエステルの加水分解やケトンの不斉還元などの有機合成反応に一定の効果を持つこと明らかになった。従来のスクアリン酸アミド触媒にはない強酸性プロトンが、カルボニル基の活性化に寄与することが示唆される。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)