Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2013: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Research Abstract |
今年度は2つの研究を推進した。第一に, 説明活動により「自分自身が十分学習内容を理解できていなかった」という気づきを促すことで, 意味理解を志向した学習方法をとる必要性が実感され, 学習の仕方がより適切なものに変化するという仮説を検証した。筆者が兼任講師として担当した大学講義にて, 毎授業の最後に用語説明と採点活動を実施した。全13回の授業を, 介入を実施しない統制期と説明活動を実施した介入期に分け, 両期にわたって学習方略を測定する質問紙を実施した。分析の結果, 関連しあう内容をまとめる「体制化」の使用頻度が介入期において向上した。また, この伸びは, 「分かったつもりへの気づき」(説明の前後での理解度評定の変化の程度)が大きな学生ほど大きかった。 二つ目の研究として, 高校教員と共同し, 県立高校の「総合的な学習の時間」において学習方法を学ぶ講座を実施した。この講座では, 高校生が教え手と学び手に分かれ, 説明と質問を交代で行う活動を通して, 学習内容を説明・質問することが理解を深める上で有効だと認識させることを狙いとしていた。計6時数を, 教え合いの方法を学ぶ前半と, 実際に教え合いをしたりふり返りをする後半に分け, 講座を実施した。特に, 前半では「学習では, 情報を関連づける『理解』を目指」し, 「教え合いは理解を深めるためのものだ」という原則を強調するとともに, それを実現するためのスキルを習得するアクティビティを多く実施した。8クラス中1クラスのやり取りをICレコーダーに記録し, その発話を分析したところ, 「なぜ」「そもそも」といった情報の関連づけを伴う主題について積極的な説明と質問がなされたことが明らかとなった。また, 講座前後の質問紙調査から, 一人で学習する際にも「理解できたかを確認するため, 学習内容を説明してみる」といった学習方略の使用傾向が向上したことが示された。
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