Project/Area Number |
13J02499
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Applied entomology
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
手嶋 伸 京都大学, 農学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2015)
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Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 2015: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2014: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2013: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | フェロモン / 定位 / 行動 / 走風性 / 走化性 / 蛾 / aim-then-shoot / Aim-then-shoot / 昆虫 |
Outline of Annual Research Achievements |
蛾類の匂い源定位行動では従来、視覚に依存した風上への定位のみが行われていると考えられていた。しかし本研究代表者らにより、機械感覚による地上での風向定位を伴うAim-then-shoot型の匂い源定位機構がジャガイモガで用いられていることが見出された(Tejima et al., 2013)。そこで本研究課題は、これまで研究が為されてこなかった本定位機構の行動生理メカニズムを詳らかにすることを目的とした。その成果と意義の概要を以下に示す。
1. 蛾の多くは飛行・歩行の両方で雌へと定位するが、従来の知見は飛行のみに着目しているか、飛行能力を喪失したカイコガを用いた研究がほとんどであった。本研究では、短距離飛翔と歩行によって雌へ定位するジャガイモガ、および飛行による匂い源定位を主とするノシメマダラメイガの行動を解析し、匂い源定位における飛行と歩行との行動生理学上の断絶を埋める知見をもたらした。 2. 蛾類で触角基部の機械感覚器による風向検知機構が存在することを初めて明らかにし、一個体の生物が歩行と飛行という異なる行動の文脈で、それぞれ異なる感覚で風向検知をおこなっていることを示した。匂い源定位行動は多種の行動・感覚が関与する多元的システムであるといえる。 3. 移動運動補償装置を用いた行動応答解析から、雄蛾はフェロモン刺激に対し、機械感覚による走風性に加え、化学感覚による走化性という二種類の行動応答を兼ね備えていることを明らかにした。それらの反応はそれぞれ相性または緊張性応答を示し、刺激に対する時間的性質の異なる応答であった。また刺激方向を一定に保つ場合との比較により、自身の移動による感覚情報フィードバックによっても走風性応答が解発されることを示唆した。 これらは、昆虫における時間的・空間的な感覚情報利用の統合機構を広く解明した稀有な例であり、また今後の神経行動学的な発展の余地も大きい。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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