3次元磁石配置によるEV・HEV駆動用レアアースフリーモータの開発
Project/Area Number |
13J02549
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
電力工学・電力変換・電気機器
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
吉田 征弘 秋田大学, 工学資源学研究科, 助教
|
Project Period (FY) |
2013
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
|
Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2013: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
|
Keywords | 永久磁石モータ / 表面磁石モータ / 効率最適設計 / 渦電流損 / キャリア高調波 |
Research Abstract |
本年度では, レアアースフリーモータの設計を行う前段階として, 表面磁石モータを考察対象としたリラクタンスネットワーク解析(RNA)による, 永久磁石モータの効率最適設計手法の構築行った。 一般的に, 永久磁石モータはPMVインバータで生成される擬似正弦波電圧によって駆動されるため, モータの励磁電流にはスイッチングに伴う高調波が含まれ, モータの損失, 特に鉄損が増加する。そこで, まずPWM駆動時の電流波形を用いたモータの損失算定を行った。正弦波電流入力時と比較するとキャリア周波数2.5kHzのときに磁石渦電流損は約3.5倍, 鉄損は約1.5倍に増加しており, キャリア周波数10kHzのときに磁石渦電流損は約3倍, 鉄損は約1.4倍の値となった。この結果からわかるように, キャリア高調波がモータの損失に与える影響は大きく, 高効率モータの設計にはキャリア高調波を考慮したモータの損失解析が重要であることが明らかになった。また, 提案手法の計算結果は3次元有限要素解析(3D-FEA)の計算結果とよく一致しており, 損失算定に要した計算時間は, 1条件あたり3D-FEAが約12時間30分であるのに対し, 提案手法は約10分と約75倍の速度で計算可能であることを示した。本手法は解析誤差も少ないことから, モータの効率設計に適した手法であると言える。 以上の検討結果を踏まえ, 固定子形状の変更による表面磁石モータのキャリア高調波を考慮した効率最適設計を行った。固定子ティース幅, バックヨーク幅, ターン数をパラメータとして最適設計を行った結果, 代表動作点の損失を初期形状と比べて31%低減することができた。これにより, 永久磁石モータの効率最適設計手法を構築し, RNAによりモータの効率最適設計が可能であることが示された。本研究成果は, レアアースフリーモータの設計に応用可能であり, 今後レアアースフリーモータを含めた種々のモータ設計への応用が期待できる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
高性能なモータを設計するためには, モータの形状, 材料, 制御を考慮した最適設計が必要である。本年度は, モータの効率最適設計手法を構築し, 検討対象である表面磁石モータの最適設計を行った。その結果, 本手法はモータの特性を高速・高精度で算定でき, モータの最適設計に有用であることを示した。モータの最適設計手法の構築から実際にモータの形状を変更して最適設計まで行ったことから, 本研究はおおむね順調に進展していると言える。
|
Strategy for Future Research Activity |
本年度構築したRNAによる永久磁石モータの効率最適設計手法を用いて, 表面磁石モータの効率最適設計を行ったが, 高性能なレアアースフリーモータの実現には, 回転子を埋込磁石構造および3次元磁石配置にして, より高トルクを出せるようにしなければならない。そこで今後は, 埋込磁石構造のモデルの構築を行い, さらに磁石を3次元配置にして最適設計を行う。 また, 設計したモータを試作して, トルク, 出力, 効率等を評価することで, 提案するモータ構造の有用性を実証する。
|
Report
(1 results)
Research Products
(3 results)