Budget Amount *help |
¥2,970,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2015: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2014: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2013: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度も昨年度に引き続き, 滑らかな複素代数多様体上のネフ直線束上の半正曲率を持つ(特異)エルミート計量に関する研究, 特に極小特異エルミート計量に関する研究を行った. 本年度の研究では昨年度までに得た知見を反映し, 複素曲面に埋め込まれた滑らかなコンパクト曲線の近傍の複素構造の非自明さ反映する理論である上田理論の一般化,及びその応用についての研究を行っい, それを応用するという立場を取った. まず, 埋め込まれた滑らかなコンパクト曲線に, ある程度の特異性を認めた設定での上田理論の類似・一般化を行った. 特に, コンパクト曲線が被約であり, 単純正規交差特異点のみを認める場合について, その近傍の複素解析的性質を調べた. さらに被約でない場合についても, いくつかの具体例については, この結果が応用できることを示した. これらの結果の応用として, 射影平面の任意の9点配置での爆発の, 反標準束の極小特異エルミート計量の研究を行った. その結果, 例えば, 爆発後の反標準束が半正でない (つまり, 滑らかで半正曲率を持つようなエルミート計量を許容しえない) ような, 射影平面上の9点配置の存在が分かった. また, 上田理論の微分位相幾何学的な応用に関する研究も行った. まず, 複素多様体に埋め込まれている超曲面がコンパクトとは限らない設定での上田理論についての研究を行った. その応用として, ある種の(葉ごとに正則構造を持つ) 葉層構造付多様体の, レヴィ平坦超曲面としての実現可能性の問題についての研究も行った. その結果, Barrett, 稲葉両氏によって (オリジナルの上田の定理の応用として) 得られていた, Reeb葉層等に関するレヴィ平坦実現不可能性定理を, コンパクト葉を持たない葉層についても得ることができた.
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