刺激応答性ゲルを用いた多機能マイクロ化学チップの開発とマイクロリアクターへの応用
Project/Area Number |
13J03557
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Polymer chemistry
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
伊勢田 一也 北海道大学, 大学院総合化学院, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2013
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2013: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 刺激応答性ゲル / アニオンレセプター / 静電斥力 / イオン解離 |
Research Abstract |
研究員はゲル内部のアニオンとアニオンレセプターとの錯形成によって体積変化を示す刺激応答性ゲルを用いて、多数の機能を有するマイクロ化学チップ、ならびにそれを用いたマイクロリアクターへの応用を目指し研究を行っている。これまでに、様々な有機溶媒中においてアニオンとアニオンレセプターとの錯形成によってゲルの膨潤・収縮が可逆的に誘起可能であることを明らかとしていた。この研究成果をもとに、本年度は用いるアニオンレセプターを様々検討することによって、特異な膨潤挙動を示す刺激応答性ゲルの開発を試みた。 目的とする高分子ゲルは、既報にならいフリーラジカル重合により作製した。今回アニオンレセプターとして疎水的なカンファー構造を有するユーロピウム錯体に着目し、得られたゲルに対してこのユーロピウム錯体を添加したところ、トルエンやベンゼンといった従来のゲルでは膨潤変化が全く誘起されなかった芳香族炭化水素系溶媒中においても刺激応答性ゲルとして機能することが明らかとなった。通常芳香族炭化水素系溶媒などのように非常に誘電率が低い溶媒中においてはイオン会合が非常に強固に働いてしまうため、これらの溶媒中でゲルの膨潤を誘起させ刺激応答性ゲルとして機能させることは困難である。 既報のアニオンレセプターを用いた際にはこのような挙動は見られないことから、カンファー構造のような嵩高い置換基、フッ化アルキル基のような炭化水素系溶媒と非常に馴染みやすい置換基を有するアニオンレセプターを用いたことによってこのような特異な膨潤挙動が発現できたものと考えられる。 今回得られた芳香族炭化水素系溶媒中において機能する刺激応答性ゲルは、本研究課題であるマイクロ化学チップ、マイクロリアクターへの応用を目指す上で非常に有用な知見であり、今後の発展が期待できる。得られた研究成果をもとに論文を執筆し投稿する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで、実験室内や野外実験池での操作実験を通して、捕食者の共食いの生態学的意味を探索してきた。今後は、野外調査を取り入れて、これまで実験的に示したことが、雑多な要因が含まれた自然環境でも、働いていることを確めなくてはいけない。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)