高解像度海洋海氷モデルによるオホーツク海・北太平洋熱塩循環システムの研究
Project/Area Number |
13J04245
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Meteorology/Physical oceanography/Hydrology
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
松田 淳二 北海道大学, 大学院環境科学院, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2013
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2013: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | オホーツク海 / 北太平洋 / 海面塩分 / 熱塩循環 / 子午面循環 / 数値シミュレーション / 高角解度モデル / 海氷モデル |
Research Abstract |
海洋大循環モデルを作成し、計算結果の検証と解析を行った。オホーツク海中層の構造、海氷分布・生産量、高密度陸棚水の生産量を再現したのみならず、北太平洋の海面塩分、オホーツク海内部のカムチャツカ半島西方沖に北上する西カムチャツカ海流、北岸を西行する北沿岸流を初めて再現した。続いてトレーサー実験を行い、熱塩循環システムの経路を特定した。またその時間スケールも観測値からの見積もりと同程度であることが確かめられた。特にオネコタン海峡通過流、西カムチャツカ海流、北沿岸流は季節変動が大きく、特定の季節にしか現れないことが時間スケールに影響していることがわかった。北太平洋中層ではオホーツク海の高密度陸棚水を起源とする水塊が亜熱帯循環域を含め広く分布することが確かめられた。 上記海洋大循環モデルを用いて風感度実験を行い熱塩循環システムの特性を調べた。密度座標の子午面流線関数を用いて熱塩循環システムを定量化し、風応力の大きさに応じて子午面流量が増加する結果が得られた。そのメカニズムについて考察を行い、沿岸ポリニヤ下の風成水平循環によるものであることがわかった。このメカニズムはオホーツク海のみならず、南極海やラブラドール海の熱塩循環においても報告された例はほとんどない。なお従来の水塊構造による定量化も注意深く行ったが、流量の定量化としては不適切であることも示された。 北太平洋亜寒帯循環域全体の海面塩分の変化を詳しく調べ、海面塩分が変わる要因が海面エクマン湧昇と北向きの塩フラックスの収束であること、およびそれらの時間スケールがわかった。河川による淡水フラックス感度実験を行い、河川流入が熱塩循環システムに大きく影響することもわかった。以上は北太平洋海洋循環に関する新たな知見であり、当分野の研究を大きく前進させるものである。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)