Luhmannの社会システム理論に依拠した原発リスク問題の応用的研究
Project/Area Number |
13J04257
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Sociology
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
井口 暁 京都大学, 文学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2014)
|
Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2014: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2013: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
|
Keywords | ニクラス・ルーマン / リスク / 3.11 / 福島原発事故 / 不確実性 / 社会システム理論 / リスク社会学 / (2)福島原発事故 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、N. ルーマンの社会システム理論の応用の枠組みを検討しながら、とりわけ2011年3月11日以降の日本社会の大きな変化と錯綜した状況の一端をつかむことを目指した。平成26年度は以下の3点を明らかにした。 第一に、投稿論文を通じて、原発事故の原因と責任の評価をめぐる諸当事者間の認識の齟齬とそれに起因する社会的コンフリクトに焦点を当て、それが引き起こされるメカニズムを捉えるために、これまで十分に検討されてこなかった「帰属コンフリクト」に対するルーマンの萌芽的視点を整理し、理論的に再構成した。そして、なぜ意思決定者と被影響者の間で原因と責任の帰責が異なるのか、そのメカニズムの一端を明らかにした。 第二に、ISA世界大会での報告を通じて、低線量被爆リスクをめぐる科学者の評価の違いに焦点を当て、(科学的)「無知」をめぐるルーマンの議論と、K.P.ヤップの「特定された無知/特定されない無知」の観点から、決定者あるいは被影響者としてのポジションが科学者のリスク評価にどのように影響を及ぼすかを明らかにした。 第三に、投稿論文を通じて、ルーマンの政治理論の思想史的研究で知られるS.ランゲの著作を批判的に検討することで、ルーマンがどのような時代背景の下でどのような理論的かつ政治的・実践的な課題に応答するために自らの政治理論を提起したのかを明らかにした。そして、これまで正面から検討されてこなかったルーマン理論の時代診断的な指向性とそこから提起される特異な社会構想の特徴を明らかにした。
|
Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Report
(2 results)
Research Products
(9 results)