Project/Area Number |
13J05025
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
水工学
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
白井 秀和 京都大学, 工学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2013 – 2014
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2014)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2014: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2013: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 津波 / 開水路非定常流 / ブシネスクモデル / 浅水流方程式 / 数値解析 / 津波遡上 / 相似解法 |
Outline of Annual Research Achievements |
防波堤の設置による影響に関する項目として, 防潮堤越流後の津波遡上を対象とした多次元数値解析を実施した. 得られた解析結果と前年度導出した相似解法に基づく理論の関係を比較することで, その特性の妥当性と再現性を検証した. また, 沖における津波の伝搬に関する項目として, 底面上昇に伴い発生する水面波動の特性を明らかすることを目的として, ブシネスクモデルを基礎式とした水面形を表す線形解の導出を行った. 得られた解の妥当性を検証するために, 底面が上昇する過程で発生する水面波を対象として, 一次元線形解析及び非線形解析を実施した. さらに, その適用性を検証するために, 上記の防潮堤越流後の津波遡上で用いた多次元解析ソースを拡張し, この流れ場を対象とした多次元解析を行った. これらの解析結果と理論解との比較により, ブシネスクモデルの基礎式に含まれる底面変動を表す項の効果について検証した. さらに, これらの検討を行うために開発した一次元・多次元の流れの解析ソースによる流れの再現性を検証する目的として, いくつかの流れ場を対象とした数値解析を実施した. まず, 管路・開水路流混在流を対象としたブシネスクモデルに基づく一次元数値解析及び多次元解析ソースを用いた三次元解析を実施した. また, 底面変動に伴う波動の流れを扱うに際に必要となる固-液混層流の解析コードをもとに, 移動するポーラスメディア周辺の流れ場を対象とした数値解析を実施した. さらに, 津波遡上の解析にもちいてきた浅水流方程式を基礎式とした解析ソースを用いて, 転波列流れの数値解析を実施し, その流れの特性について検討した. これらの成果は, River Flow, 土木学会全国大会, 土木学会論文集A2(応用力学), B1(水工学)等で発表している.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
津波の遡上(陸上の遡上及び防潮堤越流後の遡上)を相似解法に基づく観点から検討し, その特性を実験, 数値解析により検証し, 津波の遡上特性をそれぞれのケースで明らかにすることができた. さらに, 当該年度においては, 沖側での津波の伝搬(特に底面変動により形成される波)を対象とした理論的検討, 数値解析を実施し, 底面の変動に伴い発生する波についての基本特性について検討することができた. これらは, 当初の研究計画通りに進展したものである. また, 当初の研究計画外ではあるが, これまでの研究過程で得られたものを利用して, 津波とは異なるいくつかの流体現象の検討及び数値解析モデルの開発なども行うことができ, その成果の一部は, 研究発表することができた.
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Strategy for Future Research Activity |
本研究で示した陸上の遡上及び防潮堤越流後の遡上に関する理論特性は, 水平な陸上を対象としてきたが, 津波の遡上領域などについての検討を行うためには, 陸上の勾配を考慮していく必要がある. 今後, この陸上勾配を考慮した場合の遡上特性を明らかにしていきたいと考えている. また, 本研究では, 沖側での津波の伝搬(特に底面変動により形成される波)に関する理論特性を導きだし, その妥当性を検証してきた. 本理論はブシネスクモデルを基礎方程式としており, この検討により, 基礎式における底面変動に伴い現れる外力項の必要性について検討することができる. この検証から, 実務的な場合にも地盤変動による津波発生から, 津波の伝搬までをまとめて簡易的に検討していくことができる可能性があり, これについても検討していきたい.
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