高活性キネシンKSP阻害剤の創製とケミカルバイオロジー的手法を用いた阻害機構解明
Project/Area Number |
13J05388
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Drug development chemistry
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
竹内 智起 京都大学, 薬学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2013
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2013: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | KSP / キネシン / 抗癌剤 / 構造活性相関 / カルバゾール / 水溶性 / シフェニルアミン / 結晶パッキング |
Research Abstract |
キネシンモータータンパク質KSPに対する新規選択的阻害剤の創製研究を行った。これまでの研究により見出した縮環インドール型KSP阻害剤(β-カルボリン誘導体、及び、ウレア基やラクタム環のアミド窒素を2位に有するカルバゾール誘導体)について、その低水溶性が抗癌剤としての実用化における課題であると判断し、生物活性と水溶性の両面において優れたKSP阻害剤の創製に向けた構造展開を行った。縮環インドール誘導体の平面性と芳香族性を低減した化合物に相当するジアリールアミン誘導体を設計し、KSP阻害活性の維持と水溶性の向上を同時に実現するジフェニルアミン誘導体を同定した。さらに、単結晶X線構造解析と分子力場計算により、結晶パッキングの様式を解析し、水溶性改善に寄与した要因を分子化学的に精査した。その結果、ジフェニルアミン誘導体における水溶性の向上が、結晶パッキングにおけるファンデルワールスエネルギーの低下に由来することを明らかにした。 続いて、ジフェニルアミン誘導体の各構造要素を修飾した誘導体を設計し、構造最適化研究を行った。その結果、より強力なKSP阻害活性を有するチオモルホリン-3-オン誘導体、及び、活性と水溶性のバランスに優れたベンゾアゼピン-2-オン誘導体を見出した。また、酵素反応速度論実験およびドッキングシミュレーションにより、ジアリールアミン型阻害剤は既存の多くのKSP阻害剤とは異なり、α4/α6ポケットに結合する可能性が高いことを明らかにした。さらに、α4/α6ポケットに対する結合様式を検討し、2つの水素結合と疎水性置換基によるファンデルワールス相互作用の重要性を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画通り、生物活性と水溶性を両立するKSP阻害剤の創出に成功し、化合物の水溶性に寄与する結晶中の分子間相互作用を明らかにした。また、見出した阻害剤について、阻害様式と結合部位を明らかにした。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究において見出されたKSP阻害剤は、従来のカルバゾール型阻害剤と比較して水溶性の改善が認められたものの細胞レベルでの効果が低下した。今後は、新規ジフェニルアミン型KSP阻害剤に対して感受性を示す細胞株を探索するとともに、担癌マウス等を用いた動物実験により薬剤の効果を検証する。
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Report
(1 results)
Research Products
(8 results)