Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
本研究の目的である超新星残骸(SNR)での粒子加速機構を探るために、我々が開発しているX線偏光装置を宇宙に設置する必要がある。しかし、このプロジェクトは予算超過のため、2014年度に一旦停止している。本年度の学位取得のため、私は宇宙の元素の起源や成り立ちを探るために、遠方銀河にある超新星爆発の種類判定の方法を確立を目指した。具体的には、超新星爆発の種類には、Ia型と重力崩壊型の2つがあり、それぞれの爆発で合成される元素に違いがあることがわかっている。爆発の種類とその頻度を調べることは、我々の身近な元素の組成比の起源を調べることに繋がる。爆発後にみられるSNRは高温の薄いプラズマからなり、星を構成していた爆発噴出物の元素が放つX線を直接観測できることから、その元素の種類と量を調べることで、爆発の種類を特定することができる。爆発噴出物を正確に見積もるためには、爆風によって掃き集められる星間物質と爆発噴出物を空間的に切り分けることが重要だと考えられ、今まで空間分解能に優れたX線望遠鏡による観測が盛んに行われてきた。本研究は、従来の方法とは違い、エネルギー分解能が十分にあれば、SNRの構造を空間分解しなくても、元素の生成量が爆発の種類ごとに違うことを活かして、爆発の種類の特定が可能ではないかという点に着目した。私は、大小マゼラン星雲のSNRのうち、X線観測衛星「すざく」のアーカイブデータを用いてスペクトルの系統解析を行い、その方法の検証を試みた。結果、爆発の種類の特定が難しいとされる古いSNR (年齢 >1万年) において、スペクトルの1 keV付近の輝線構造から古いSNRにおいても爆発噴出物の寄与が十分にあることを示し、そのスペクトルの特徴から爆発の種類の分類に成功した。この内容は博士論文としてまとめただけでなく、天文学会での口頭成果報告と、雑誌PASJへの論文掲載がされた。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2016 2015 2014 2013
All Journal Article (7 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results, Peer Reviewed: 4 results, Open Access: 3 results, Acknowledgement Compliant: 1 results) Presentation (22 results)
Publications of the Astronomical Society of Japan
Volume: 印刷中 Issue: SP1
10.1093/pasj/psv127
ApJ
Volume: 814 Issue: 1 Pages: 1-11
10.1088/0004-637x/814/1/29
Proceedings of SPIE
Volume: 9144
Journal of Instrumentation
Volume: Volume 9 Issue: 01 Pages: C01002-C01002
10.1088/1748-0221/9/01/c01002
Volume: Volume 9 Issue: 03 Pages: C03043-C03043
10.1088/1748-0221/9/03/c03043