「名所」をめぐる場所認識の系譜と場所イメージの再生産に関する地理学的研究
Project/Area Number |
13J05794
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Human geography
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Research Institution | Kyoto Prefectural University |
Principal Investigator |
長谷川 奨悟 京都府立大学, 文学部, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2015)
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Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2015: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2014: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2013: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 場所認識 / 場所イメージの再生産 / 地理思想 / 近世知識人 / 外国人旅行者のまなざし / 名所 / 観光行動 / 絵図・地図 / 観光メディア / 歴史GIS / 場所イメージ / 京都 / メディア / 観光 / 近代化 |
Outline of Annual Research Achievements |
近世日本の多くの地域では18世紀以降、地域の「過去」や「場所の物語」は、近世知識人層によって、「名所」と価値付けされ、地理的メディア編纂の実践を通じて、「名所」としての場所イメージの生産(再生産)の実践がなされていく。近代に至ると外国人にとっても訪れる対象となり、場所をめぐる認識はグローバル化する。このような研究背景から、前年度までの研究から得られた上記の知見をふまえつつ、以下の観点から、「名所」をめぐる場所認識の系譜と場所イメージの再生産に関する研究を進めてきた。 まず、幕末期から明治期に英国外交官として勤務しながら、外国人旅行者向けに日本のガイドブックを編纂したアーネスト・サトーを事例に、他者(外国人旅行者)による「名所」をめぐるまなざしと場所イメージの再生産について前年度に引き続き研究を進めた。まず、7月に英国で開催された国際歴史地理学会においてポスター発表をおこなった。また、国立公文書館に所蔵されているアーネスト・サトー関連文書について、日本に関連する部分の資料調査およびデータ収集、彼の隠居地における聞き取り調査や、現在残されているモニュメントの碑文調査をおこない、現在、分析中である。 そして、近世以降における「名所」をめぐる場所認識の系譜と場所イメージの再生産をめぐる総合的な考察を進めると、近世日本では、少なくとも約700点の名所地誌本の刊行が確認できる。19世紀には、ほぼ全ての旧国域で名所地誌本編纂の実践がおこなわれるようになり、「名所」を介した場所イメージ実践は、ますます盛んになる。ことに近世段階では、地誌編纂事業における伝統的慣習に倣いながらも、自らのまなざしや価値観により過去や現在の注目すべき場所や風景の様相に価値を見いだし、他所との差別化にともなう場所イメージの生産(再生産)が試みられるという地理思想の実践の一形態として解釈できることを証明できつつある。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(3 results)
Research Products
(7 results)