Project/Area Number |
13J05806
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Electronic materials/Electric materials
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
BELMOUBARIK MOHAMED 東北大学, 大学院工学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2013 – 2014
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2014)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2014: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2013: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | トンネル磁気抵抗 / 不揮発磁気記録 / 磁気トンネル接合 / 強磁性体 / 酸化亜鉛半導体 / 分子線エピタクシャル法 / 磁気抵抗 / 酸化亜鉛 / 界面物性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は非中心対称性を持つウルツ鉱型ZnO膜に発現する自発分極を利用して、ウルツ鉱型ZnO系スペーサを持つMTJ(磁気トンネル接合)素子における外部低電界によるTMR(トンネル磁気抵抗)制御の実現である。このように低電界印加によるTMR制御が可能となれば、メモリの1つのセルで多値状態を実現することができるようになり、不揮発磁気記録デバイスであるMRAMの記録密度が向上されることが期待される。平成26年度は特別研究員として実施した研究活動と実績を以下のようにまとめた。 1. c-Al_2O_3/Pt/CoPt/ZnMgO(7nm)/Co/IrMn/Ru構造を持つMTJ試料を作製した。微細化技術を用いたMTJ素子の作製を行い、4端子法で室温(300K)と低温(5K)でTMRの評価を行った。評価の成果は、再現性良く25~35%のTMRの観測ができており、今まで未だ報告されていない強磁性金属/酸化亜鉛系トンネル薄膜/強磁性金属の接合に於けるTMRの実現に成功した。 2. これに加えて、MgZnOトンネルバリアに於いて抵抗スイッチング効果の確認ができた。これは360Kから2Kまで±1V印加中冷却方法を用いて検討した。観測したトンネル抵抗変化率の最大値が360%であり、温度依存性と数式的な見積りから成膜したMgZnO薄膜はを強誘電体的な振舞いを持つと明かになった(分極~2.5μC/㎠)。 3. 作製したZnMgO-MTJでは+1Vと-1Vの印加で発生した低抵抗と高抵抗状態で、つまり電気分極の反転により、TMR(2K)がそれぞれ4%と35%と観測した。その結果、電界と磁場の制御により、MgドープZnO-MTJのTMRを制御して4値状態を持つ不揮発的な磁気記録デバイスの検証ができた。このデバイス重要な利点は室温を越える下部の磁性層のTcと、低いバリア(MgZnO)の成膜温度(400℃)を有するので、かなり他の4値状態-MTJデバイスよりもCMOS技術に準拠となっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
分子線エピタクシャル法とスパッタ法を利用して最適化されたZnMgOトンネルバリアMTJの作製に成功した。更に、期待通りにMgZnOトンネルバリアの抵抗スイッチングと強誘電体の振る舞いが確認できた。大きな成果としては最初に設定した目的となった低電界による4値-TMRの検証に成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題の今後の推進方策は以下のように予定を考えている : 1. ZnMgOトンネルバリアMTJで界面の影響を調べるためにZnMgO薄膜の成膜温度を最適化する。ここで、成膜温度を変えてZnMgO薄膜の結晶性と電気特性は主な検討対象となるものである。 2. ZnMgOトンネルバリアの影響に関して、ZnMgOの膜厚とMg組成を変更してぞれぞれのZnMgOトンネルバリアMTJの特性への影響を調査する。 3. 下部の磁性層であるCo-Ptの膜厚を変更してMgZnOの分極反転による磁性特性の変化を調べる。 4. 動作温度を室温まで改善するためにはCo-Pt/MgZnO界面の特性を調べる必要がある。
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