Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2013: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
触媒性能は触媒活性サイトのサイズや組成に大きく左右される。したがって、最も高活性なサイズおよび均一組成をもつ活性サイトを作ることは非常に重要である。含浸法により調製したNi-Fe合金触媒が比較的高い改質活性を示すことを報告してきた. しかし, この触媒は活性サイトである合金粒子の粒径および組成が不均一である. 触媒活性を十分に引き出すためには, 粒径や組成が均一な合金粒子の調製が必要となる. 本申請研究では, Ni-Mg-Fe-Alハイドロタルサイト様化合物を触媒前駆体として調製したNi-Fe合金担持触媒の構造, モデル化合物を用いた炭素析出耐性の検討, および熱分解タールの水蒸気改質反応への適応性を検討した. 還元処理後のNi-Fe/Mg/Al触媒(Fe/Ni=0.25)のXRD測定およびSTEM-FDX測定から均質Ni-Fe合金微粒子(Fe/Ni=0.2)の形成を確認した. 一方, STEM-EDX測定から, Ni-Fe合金の粒子径は約9.5nmであった. さらに, トルエン, フェノールおよびベンゼンの水蒸気改質反応におけるFe添加量依存性から, 最適触媒はNi-Fe/Mg/Al (Fe/Ni=0.25)となった. また, ハイドロタルサイト由来触媒および従来型のα-Al_2O_3担持触媒を用いたトルエンの水蒸気改質反応より、α-Al_2O_3担持触媒におけるFe添加効果はみられず, ハイドロタルサイト由来触媒において顕著なFe添加効果がみられた. また, 20時間のトルエン水蒸気改質反応より, Ni-Fc/Mg/Al触媒は炭素析出を抑制し, Ni-Fe合金粒子の凝集や合金組成の変化は観測されなかった. 以上から, 均一Ni-Fe合金微粒子の形成により触媒性能が飛躍的に向上した. また, Ni-Fe/Mg/AI触媒(Fe/Ni=0.25)を用いた水蒸気改質反応において, 低転化率での基質の反応性は"ベンゼン>トルエン>フェノール"の順となり, Fe添加効果が基質により異なった。さらに, フェノールからの炭素析出が顕著であり, 反応中に除去が困難なフェノール由来炭素種が活性点を被覆し, Fe添加効果を阻害することが示唆された. 以上から, Ni-Fe/Mg/Al触媒を用いた熱分解タールの水蒸気改質反応において, 改質活性が向上する一方, 炭素析出抑制が困難であるのは, フェノールなどの含酸素芳香族化合物が主要因の一つであると考えられる.
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