Project/Area Number |
13J06082
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Architectural history/design
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Research Institution | Tokyo National University of Fine Arts and Music |
Principal Investigator |
會田 涼子 東京芸術大学, 大学院美術研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2013
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2013: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | イタリア / フィレンツェ / 近代都市改造 / ジュゼッペ・ポッジ / 19世紀 |
Research Abstract |
本研究ではフィレンツェにおけるイタリア王国の首都時代(1865-1871年)のマスタープランを作成した建築家ジュゼッペ・ポッジの計画を取り上げ、「①首都化のための計画が都市と建築に与える影響」、「②地形に由来するインフラ整備と災害対策」、「③歴史的都市構造への近代的介入」の視点から分析を行った。 具体的な研究方法としては、「①ポッジ自身でまとめた報告書と市議会の議事録から計画と実施過程を解読する」、「②設計図面、都市改造前後の都市図、地籍図、建築申請書等から、建物の形態、規模、スケール、道路との位置関係を明らかにする」、「③土地台帳からも土地建物所有者や用途を確認し、計画前後の変化を分析する」の3点に主眼を置き、分析を行った。 この結果、計画・実施の具体例として、ミケランジェロ広場、コッリ大通り、市門周辺地区を取り上げた。ミケランジェロ広場については、市壁を取り壊して建設された環状道路の一部であること、眺望の獲得、象徴性、土地収用、地盤と排水、衛生面など多角的な視点から分析を行い、広場の機能と形態決定要因を明らかにしている。コッリ大通りについては、景観の確保、土地収用、インフラとしての役割、アルノ川の洪水対策、飲料水問題の視点から、大通りの機能と路程決定要因を明確化している。市門周辺地区としては、カヴール広場とクローチェ門広場を分析対象とし、14世紀以来存続してきた市門に対するポッジの姿勢と対処、街区形状の決定、既存建築の扱い、洪水対策などの視点からその様態を明らかにしている。 この研究の重要性は、近代化都市改造を扱う中で、先進的都市計画手法を用いた成功例だけでなく、改造以前の堅固な歴史的都市基盤と社会組織が近代化を遅らせていた都市の例を明らかにすることで、都市の固有性にもとづく近代都市改造手法が存在していたことを見出した点にある。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)