古代末期ローマ帝国北西部諸属州における商人・職人と社会
Project/Area Number |
13J06513
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
History of Europe and America
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
長谷川 敬 法政大学, 文学部, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2015)
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Budget Amount *help |
¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,800,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2015: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2014: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2013: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | ガリア / ゲルマニア / 古代末期 / 商人 / 職人 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度に当たる本年度は、前年度に引き続き古代末期の叙述作品と考古学史料の検討を重点的に行った。叙述作品については、とりわけシドニウス・アポリナーリスの『書簡』と、サルウィアヌスの『神の支配について』が検討の中心となった。後者作品には、前年度にも重要テーマとして言及した「バカウダエ」と呼ばれる集団に関する記述があり、その記述に関し、専門研究者の見解も参照しながら考察を進めた結果、仮説ではあるが、5世紀ガリアでは少なくとも一部の商人が、ローマ支配化における既存の(垂直的)社会紐帯を放棄して、バガウダエの下で新たな紐帯を結ぼうとしていた可能性があるという見解に至った。また、シドニウスの書簡集の検討からは、この著者の友人で所領経営者である人物が直接的にブドウ栽培に関わっていたこと、そしてそのブドウ栽培の成功を願う者たち―おそらくは、ブドウ栽培ならびにワイン生産・流通に直接関わった人々―の存在が示唆された。上記見解と同様にやはり仮説段階に留まるが、これらの人々と所領主の関係は、相当程度強固で密接なものであったと推測される。一方、考古学史料の検討ではウィラがその中心的対象となったが、ガリア南西部・南部では、ガリア・ゲルマニア地方の他地域と異なりウィラ数の急激な減少は4世紀になってからも確認されず、例えばニーム周辺地域では複数のウィラにおいて4世紀においてもワイン生産施設が存続していたことが知られている。このワイン生産施設の存否は、所有者による直接経営かコロヌスに代表される小作人を介した間接経営のいずれが主流であったかという重要な問題とも深く関わるが、ウィラにおけるワイン生産施設の存続は、少なくともワイン生産に関しては土地所有者によって直接的に管理されていたことを窺わせる。そして、そこからは帝政前期同様にウィラ経営者とワイン流通従事者との間に直接的な関係が存在していたことが推測される。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(3 results)
Research Products
(9 results)