テラヘルツ波を用いた強相関電子系の超高速スイッチング現象の開拓
Project/Area Number |
13J06679
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
物性Ⅰ(光物性・半導体・誘電体)(実験)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
宮本 辰也 東京大学, 新領域創成科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2014)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2014: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2013: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 超高速現象 / 高強度テラヘルツ波 / ポンプ―プローブ分光法 / 非線形光学効果 / 強相関電子系 / 有機電荷移動錯体 / 電子型強誘電体 / 一次元モット絶縁体 |
Outline of Annual Research Achievements |
将来の情報化社会において、通信速度を上昇させることは必須であり、ピコ秒オーダーで光の強度や光路を変化させることができる超高速スイッチング現象の開拓が求められている。これまでは、光励起による超高速スイッチング現象の研究が行われてきた。しかし、光を制御パルスとして利用すると、実励起による温度上昇や結晶の損傷が生じる可能性がある。この問題を解消するため、より低エネルギーの電磁波であるテラヘルツ波を制御パルスとして利用することを考えた。 前年度までに、一次元モット絶縁体である臭素架橋Ni錯体と電子型強誘電体である有機電荷移動錯体TTF-CAを対象としてテラヘルツ波ポンプ―光(第二高調波:SHG)プローブ分光を行い、テラヘルツ波励起による超高速の光制御と分極変調に成功した。今年度は、一次元モット絶縁体である有機電荷移動錯体ET-F2TCNQと水素結合型強誘電体であるクロコン酸を対象としてさらに研究を進めた。 一次元モット絶縁体であるET-F2TCNQにおいて、テラヘルツ波による三次の非線形光学効果を利用した超高速光スイッチングに成功した。これは、温度上昇の効果などによる遅延応答のない、本当の意味での超高速スイッチング現象である。さらにこの物質では、通信波長である1.55μmの光を制御することが可能であり、実用的なものとなっている。 次に、水素結合型強誘電体であるクロコン酸において、テラヘルツ波照射による高速の分極変調に成功した。テラヘルツ波によるSHG強度の変調の大きさは、TTF-CAの場合と比べて五倍ほど効率がよい。これは、π電子系とプロトンが強く結合して強誘電分極を発現するクロコン酸の特徴であると推測される。 本研究は、強相関電子系の物質におけるテラヘルツ波応答を明らかにしたことに加え、テラヘルツ波励起による超高速の光制御・分極変調の有用性を実証した重要な成果であるといえる。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(2 results)
Research Products
(17 results)