大江健三郎の著作活動における日本思想史的意義-「戦後民主主義」論の観点から-
Project/Area Number |
13J06845
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Japanese literature
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
北山 敏秀 東京大学, 総合文化研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2015)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2015: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2014: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2013: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | 大江健三郎 / 『沖縄ノート』 / 反復帰論 / 「飼育」 / 橋川文三 / 戦争体験論 / 戦中派 / 世代論 / セヴンティーン / 浅沼事件 / 政治少年死す / 戦後民主主義 / 戦後日本 / 日本思想史 |
Outline of Annual Research Achievements |
2015年度は、これまでに続き大江健三郎の文学についての研究を行なった。研究内容は主に二つに分けられる。 第一に、大江健三郎の『沖縄ノート』についての研究が挙げられる。その成果は、論文「大江健三郎『沖縄ノート』における歴史意識の交差――新川明の「沈黙」に吸引される言葉――」として学会誌『日本近代文学』(2015/11)に発表した。この論文は、大江健三郎の『沖縄ノート』(1970)について、そこに語られる沖縄の詩人・新聞記者である新川明の思想との関わりから論じたものである。新川明は、いわゆる沖縄の「反復帰論」の代表的論客として語られることが多い。しかし『沖縄ノート』では、「反復帰論」の論者としてよりも、むしろそれ以前の著作である「新南島風土記」(1964~65)の書き手としてこそ、新川にスポットが当てられていた。大江は、新川が抱く、数百年単位での「南島」の人々の生きざまに向けられた歴史意識と、自らの歴史意識を交差させることで言葉を紡いでいったのである。この論文では、改めて「反復帰論」が議論される現在において、「新南島風土記」がいかに『沖縄ノート』において語られているかを探ることで、『沖縄ノート』と「反復帰論」との位置関係を明らかにすることを試みた。 なお、この論文は、今後執筆予定の博士論文の一部となるものであり、その点で順調な研究の進展があったといえる。 第二に、2016年6月に日本社会文学会で行なう予定の、口頭発表の準備に関わる研究が挙げられる。この発表は、大江健三郎の小説「飼育」について、執筆当時の1950年代後半の批評言説との関わりで論じようとするものであり、DC採用期間中の研究課題に沿う内容になっている。この研究についても、口頭発表を経て、投稿論文の形で公表することを目指している。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(3 results)
Research Products
(6 results)