Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
オートファジーは細胞内成分の主要な分解機構の一つであり、オートファジーが誘導されると「オートファゴソーム」と呼ばれる二重膜構造体が形成される。オートファゴソーム形成には多数のAtgタンパク質が必須である。その分子メカニズムを理解する上で、オートファゴソーム膜の伸張機構は最大の謎であり、その解明は不可欠である。本年度においては、膜の前駆体の電子顕微鏡解析による形態解析及び、共免疫沈降法による生化学的な解析から、「オートファゴソーム膜の前駆体」は、Atg9小胞よりもサイズが大きいことを明らかとした。Atg9小胞の直径は30-60nmだが、膜の前駆体の直径は60nmを超えた小胞であること、さらにAtg9小胞には存在しないが、膜の前駆体には存在するSNAREタンパク質を同定した。これらのことは、SNAREを介したAtg9小胞同士の融合、またはAtg9小胞と他の小胞との融合により、膜の前駆体が形成されることを強く示唆している。また、蛍光顕微鏡解析や免疫沈降実験により、伸張途中のオートファゴソームの膜には、いくつかのSNAREタンパク質や小胞融合関連因子が供給されることが明らかとなった。これらの因子は細胞内のある小胞輸送経路に特異的に機能することが報告されており、オートファゴソーム膜の伸張において、これらの因子が機能していることが示唆された。これまでの解析で同定されたオートファゴソーム膜の前駆体に、この小胞が連続的に融合することで、オートファゴソームが形成されるというモデルが考えられる。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2015
All Presentation (2 results)