色調変化を伴う有機結晶の脱水・水和転移メカニズムの粉末未知結晶構造解析による解明
Project/Area Number |
13J07417
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Physical chemistry
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
佐近 彩 東京工業大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2015)
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Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 2015: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2014: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2013: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | ベイポクロミズム / TD-DFT計算 / 有機結晶 / 単結晶X線結晶構造解析 / キノロン系抗菌剤 / 共結晶 / 溶媒交換転移 / 粉末未知結晶構造解析 / 脱水・水和転移 |
Outline of Annual Research Achievements |
【研究背景】 本研究ではベイポクロミズムを示す有機結晶の探索およびそのメカニズム解明を行っている。本研究ではこれまでにキノロン系抗菌剤結晶を用いたベイポクロミズムを3種類設計し、結晶構造の観点から転移挙動や色変化メカニズムを明らかにしてきた。平成27年度は、この現象をより詳細に理解するために、理論計算を行うことによって着色原因を解明することを目標とした。結果として、以下の色変化の原因の解明に成功した。 【(1)ピペミド酸無水和物の着色原因】 ピペミド酸は無色の3水和物と黄色の無水和物の間でベイポクロミズムを示す。色変化の原因が3水和物中では分子が双性イオンであるのに対し、無水和物結晶中では非イオン性分子であるというプロトン位置の違いではないかと考え、単分子でTD-DFT計算を行った。結果として、実測値をよく説明する計算スペクトルが得られ、着色した無水和物結晶中の非イオン性分子のみHOMOに新規軌道が現れてHOMO-LUMO間のエネルギー差が小さくなった結果着色したことが判明した。このように、色変化の原因が理論計算から明らかとなり、脱水転移に伴う水素結合の組み換えによるプロトン移動が結晶の着色に寄与したことを明らかにした。 【(2)共結晶の色変化の原因】 エノキサシン‐3,5-ジアミノ安息香酸共結晶がベイポクロミズムを示す。アルコール蒸気適用相が黄色に着色する原因は、転移に伴って分子配列が変化し分子の積層構造が出来るためであると考えた。計算により詳細に明らかにするために2分子のTD-DFT計算を行った。結果として、実測と一致する計算スペクトルが得られ、着色原因は積層した3,5-ジアミノ安息香酸分子からエノキサシン分子への電荷移動相互作用が形成されたためと明らかとなった。すなわち、着色原因は、転移に伴う分子配列の変化によって新しく電荷移動相互作用が生まれたことであると明らかにした。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(3 results)
Research Products
(12 results)