母集団を動的に分割統合可能な遺伝的アルゴリズムの開発とその応用による最適軌道生成

• Project/Area Number: 13J07564
• Research Category: Grant-in-Aid for JSPS Fellows
• Allocation Type: Single-year Grants
• Section: 国内
• Research Field: Aerospace engineering
• Research Institution: Kyushu Institute of Technology
• Principal Investigator: 宮本 信太郎 九州工業大学, 大学院工学府, 特別研究員(DC2)
• Project Period (FY): 2013
• Project Status: Completed (Fiscal Year 2013)
• Budget Amount: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000); Fiscal Year 2013: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
• Keywords: 宇宙輸送システム / 誘導 / 遺伝的アルゴリズム

Research Abstract

航空機のような運用を目指す再使用型の将来宇宙輸送システムでは, 予め想定した軌道の飛行だけでなく, 飛行環境や制約条件に応じて随時軌道変更を行い, 非常時には飛行中断し安全に帰還するなどの柔軟なミッション運用が求められる. 従って, どのような事態においても確実な自律航行を実現するには, 従来方法のように基準軌道だけに頼ること無く, また唯一の最適軌道のみならず複数の準最適な代替軌道をリアルタイム生成する必要がある. 本研究では, 代替軌道を含む最適軌道を生成する方法として, 新たな解の探索手法である動的分散遺伝的アルゴリズムDynDGA (Dynamically Distributed Genetic Algorithm)を提案した. その最適解探索のリアルタイム性を実現するためにFPGA (Field Programmable Gate Array)とよばれる集積回路上にアルゴリズムを構築することを試みた.
DynDGAは, 各個体の特性を端的に表すような特徴量を定義し, その特徴量により個体間の類似性を識別することで, もともと一つだった母集団を適切な数のサブ母集団(島)に分類する. この島は, 必要であれば再分割や他の島との統合を繰り返す, 数値シミュレーションの結果, DynDGAにより母集団の島への分割統合がスムースに進み, 複数の良好な軌道を生成できることがわかった, また遺伝的アルゴリズムによる探索は, 従来の準定常的な近似解等では解として得ることが難しい, 急降下や急旋回を伴う軌道も解として得られることがわかった.
DynDGAの前段階としてGAによる軌道生成のリアルタイム性の実現のために, FPGAを用いて処理を並列化し計算時間の大幅な短縮を実現するシステムを試作した. 同システムを有翼ロケット実験機およびカイトプレーンと呼ばれる小型飛行機に搭載し, 飛行実験を通してリアルタイム軌道生成の実証した. また, これらの飛行実験結果から, DynDGAは複数のFPGAを用いた並列計算によりリアルタイム計算が可能であることを証明した.

Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

より安定かつ実時間で大域最適軌道の生成を可能とするために自身が母集団をダイナミックに分割・統合する遺伝的アルゴリズムの開発し, 従来の分散遺伝的アルゴリズムよりも軌道生成に有効であることを示すことができた. また, 実機での遺伝的アルゴリズムによるリアルタイム最適軌道生成の実証を行うことができ, 上記の新しい遺伝的アルゴリズムのリアルタイム性も実現することができた.

Strategy for Future Research Activity

今後の課題は, 今後は提案手法を広範囲の計算条件に対応できるようにすることである. そのために, 母集団の分割のために用いる特徴量に工夫を施す必要がある. これま. ではオンボードでのリアルタイム軌道生成の実証のみで, その結果を実機の誘導に用いるところまで至っていない. 今後, 有翼ロケット実験機の誘導システムとして組込み, 飛行試験によりリアルタイム誘導の実証を行う.

Research Products

• [Journal Article] Dynamically Distributed Genetic Algorithm and Its Application to Diversely Selectable Trajectory Optimization of Winged Rocket (2014)
  • Author(s): Shintaro Miyamoto, Takaaki Matsumoto and Koichi Yonemoto
  • Journal Title: Transaction of Japan Society for Aeronautical and Space Sciences, Aerospace Technology Japan Volume: 12(未定) Pages: 37-46
  • Peer Reviewed
• [Presentation] Current Status of Experimental Winged Rocket Development : Ground Combustion Test and Flight Experiment (2013)
  • Author(s): Takaaki Matsumoto, Koichi Yonemoto, Kyoshiro Itakura, Hiroshi Yamasaki, Shintaro Miyamoto, Gaku Sasaki and Koyo Matsuzaki
  • Organizer: the 2013 Asia-Pacific International Symposium on Aerospace Technology
  • Place of Presentation: 高松
  • Year and Date: 2013-11-21
• [Presentation] The Design and Optimization in Space Systems (2013)
  • Author(s): Takaaki Matsumoto, Koichi Yonemoto, Gaku Sasaki, Kyoshiro Itakura, Shintaro Miyamoto and Hiroshi Yamasaki
  • Organizer: the 2013 Asia-Pacific International Symposium on Aerospace Technology
  • Place of Presentation: 高松
  • Year and Date: 2013-11-21
• [Presentation] Development of a Hardware-in-the-Loop Simulator and Flight Simulation of a Subscale Experimental Winged Rocket (2013)
  • Author(s): Hiroshi Yamasaki, Takaaki Matsumoto, Kyoshiro Itakura, Shintaro Miyamoto and Koichi Yonemoto
  • Organizer: 2013 IEEE/ASME International Conference on Advanced Intelligent Mechatronics
  • Place of Presentation: ウーロンゴン(オーストラリア)
• [Presentation] Dynamic Distributed Genetic Algorithm Using Hierarchical Clustering for Flight Trajectory Optimization of Winged Rocket (2013)
  • Author(s): Shintaro Miyamoto, Takaaki Matsumoto and Koichi Yonemoto
  • Organizer: The 12th International Conference on Machine Learning and Applications
  • Place of Presentation: マイアミ(アメリカ)