外国人のシティズンシップ-グローバル化時代における国民国家の再定位に向けて
Project/Area Number |
13J07837
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Politics
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
宮井 健志 北海道大学, 法学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2015)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2015: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2014: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2013: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | シティズンシップ / 移民 / 外国人 / 在外国民 / 国際人口移動 / 政治理論 / グローバル化 / 移民政策 / 入国管理 / 市民統合 / 多文化主義 |
Outline of Annual Research Achievements |
国際人口移動は、国民のみをその構成基盤とみなす旧来的な国民国家観の変容を迫っている。そこで本研究は、「シティズンシップ」を鍵概念とし、現状・歴史・規範理論の三方向から包括的にアプローチすることで、移民の時代における擁護可能な国際秩序像の構築を試みた。本研究で得られた主な知見は次の通りである。 第一に、自由裁量(受入国)と自由放任(送出国)という従来の移民政策の基本姿勢には変容がみられる。とりわけ移住者に対する地方参政権や在外投票権の導入は、領域性と民族性をめぐる新しい政治的配置を生み出し、ときに受入国と送出国との間で移住者をめぐる先鋭な利益対立を生み出している。本研究は、在留外国人/在外国民という移住者の二重性に留意しつつ、この政治的変容と動因とその含意を実証的に把握した。 第二に、この趨勢を理論的に把握する上では、一国家単位での水平的な包摂/排除だけでなく、国境を越える垂直的な権力関係の問題をより精緻に把握する概念が必要であることがわかった。ここで本研究は、近年のいわゆるネオ共和主義による「非支配の自由」という概念に着目し、リベラルな政治理論で重視される「非干渉の自由」との接線に留意しつつ、それが移民の正義論にもたらす批判的含意につき一定の理解を得た。 第三に、上記の知見の獲得を通して、「外国人を国民国家の構成的次元に据える」という本研究の当初のモチーフは、受入国―移住者―送出国という三角関係のもとで「移住者はいかに恣意的な権力行使から自由たりうるか」という問題系の検討へと昇華した。「外国人のシティズンシップ」を批判的に克服した「移住者のシティズンシップ」という新しい問題系の発見は、今後の研究展開に鑑みても極めて大きな収穫であったといえる。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(3 results)
Research Products
(4 results)