J.デリダにおける〈存在〉と〈他者〉:R.ラポルトの音楽概念との関わりを中心に
Project/Area Number |
13J08880
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
History of thought
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高山 花子 東京大学, 総合文化研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2015)
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Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
Fiscal Year 2015: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2014: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2013: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | ロジェ・ラポルト / デリダ / 歌 / ビオグラフィ / 生記述 / メタモルフォーゼ / ファタ・モルガナ社 / 音楽 / ブランショ / 聴覚 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の研究は次の2点に集約される。第一に、2015年5月から6月にかけて、ファタ・モルガナ社でラポルトの1960年代から90年代までの草稿すべてにくわえ、デリダをはじめとする同時代人たちとの書簡を閲覧、複写した。結果、ラポルトにおけるビオグラフィ(生記述)概念の形成時期がソレルス、デリダ、バルトとの交遊が密である時期と重なることが判明した。第二に、『来たるべき書物』(1959)に納められた論考を中心に、ブランショにおける「歌」概念を引き続き精査した。これにより、来たるべきものとしての歌がメタモルフォーゼの時間という主題と分かち難いことが明らかになった。これは、1979年以降のデリダの著作に顕在する音楽の郵送不可能性・還元不可能性・計算不可能性と通じる議論であるため、ラポルトを経由しての思想史的な連関を提示する手がかりとなった。以上を通して、「存在することなく存在すること」が「音楽」という「残滓なき残滓」であるという1980年代に複数回あらわれるデリダの記述がラポルト論「音楽の力のおかげで残るもの」(1979)を発端としているのではないかという当初の仮説が裏付けられ、なおかつ、デリダにおける音楽的モチーフとビオグラフィの連関もあきらかになった。聴取にかかわる「他者」概念の再考をうながす問題系ではないかという見通しは裏切られたが、むしろ書く行為に際する一人称「わたし」の立ち位置が問われているということが前景化した。上述の成果は表象文化論学会ウェブニューズレターに研究ノートを寄稿したが、テーマの依拠する文脈が極めて広範にわたるため、書物としての公表を計画している。ほかに特筆すべき点としては、報告者が調査過程で発見したラポルトの国際哲学コレージュにおける講演原稿が編集者の目にとまり、ファタ・モルガナ社から2015年秋に出版されたことがあげられる。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(3 results)
Research Products
(15 results)