Project/Area Number |
13J09714
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Philosophy/Ethics
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
渡辺 一弘 東京大学, 人文社会系研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2015)
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Budget Amount *help |
¥2,520,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2015: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2014: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2013: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | ヒューム / コンヴェンション / 社会的規範 / デイヴィッド・ルイス / デイヴィッド・ヒューム / 懐疑論 / 抽象観念 / 徳 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、ヒュームの知性論と情念論における鍵概念である<一般規則>と<共感>との関連を、過年度までに得られた研究成果を踏まえて詳しく検討した。まず知性論における懐疑論の帰結からヒュームがどのように「恢復」し、その後に続く学問的探求へと進むのかという問題を受け、その答えが情念論の「名声への愛」についての議論にあることを指摘した。この議論はヒュームが人々の道徳心の発達にとって重要であるとする<一般規則>と<共感>の交錯が見られる箇所でもある。それゆえ「共通する利益の一般的な感覚」であるコンヴェンションの生成原理にとっても本質的な点である。検討の結果、われわれの認識には懐疑論の後にも「知的徳」というかたちで「規範性」を問うことができ、それは共感を介した他者との社会的な交流に起源をもつとヒュームは考えていた、と結論した。 またこのヒュームにおける知的徳の問題について、「好奇心」に焦点を絞ってさらに考察をおこなった。好奇心は学問的探求を動機づけるが、それもそのままでは再び懐疑論へと舞い戻ってしまう危険性を孕む。本研究では、好奇心には知的徳という側面だけでなくこうした悪徳の側面があるという点に着目した。この論点の重要性は、現代の徳認識論の観点からも少なからず議論されるところである。そこでこうした現代的議論を援用しつつ、ヒュームの哲学に即して好奇心の二面性を検討した。 さらに、他者との社会的交流に根ざすヒュームのこうした「規範性」概念を東西比較思想の観点から検討する研究をおこなった。すなわち仏教倫理との関連からヒュームの道徳的行為者性について考察し、また理性と情念(感情)の相克と懐疑論(強迫性神経症)からの治癒という文脈において、大正期日本の精神科医である森田正馬の思想とヒュームの哲学の間に極めて興味深い類似性があることを指摘した。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(3 results)
Research Products
(19 results)