溶液反応におけるpH依存特性の計算化学的解明-溶媒和構造と吸収スペクトル変化-
Project/Area Number |
13J10163
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Physical chemistry
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
北村 勇吉 名古屋大学, 情報科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2014)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2014: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2013: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | 定pH法 / pH依存性 / 解析的ヘシアン / 振動双解析法 / 溶媒和構造 / 振動スペクトル / 解析的ヘシアシ / 振動数シフト / 振動モード |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、環境のpH条件を考慮した分子シミュレーション手法であるpH法を改良し、複数の小分子からなる系に適した新規手法の提案および開発を行った。従来法では、プロトン化状態を遷移させるアプローチとして離散的方法と連続的方法が提案されてきた。離散的方法は、プロトン化状態から脱プロトン化状態を一度に遷移させることによって、系に大きな影響を与えることが指摘されていた。特にこの影響は溶媒分子まであらわな分子として扱う場合では顕著であり、系を平衡化するために長いシミュレーションステップが必要となることが報告されている。一方、この問題を解消する方法として連続的方法の1つであるλ-ダイナミクス法が提案されているが、この手法では原理的に滴定サイト数Nに対して2のN乗の計算コストが必要であるという欠点がある。そのために、非静電相互作用を無視するなどの近似的取り扱いが採用されてきた。また、どちらの方法においても状態遷移に伴う人工的なエネルギー変動は、熱浴へと吸収させることで解消している。これらの問題を解決するために、この状態変化を緩和するより良いスキームの可能性を考察した結果、局所的なエネルギー最小化計算を適宜行うことによって、系の全エネルギーへの影響を著しく小さくすることが可能となることを示すことができた。また、このスキームの導入によって離散的なプロトン化状態遷移手法を採用することが可能となり、滴定サイトをもつ分子を複数を含む系においても滴定サイト数Nに対して依存しない効率的な遷移イベントを実現することが可能となった。また、従来無視されることがあった非静電相互作用の寄与についても考慮することができた。 今回開発された環境中pH条件を考慮する分子動力学シミュレーション手法は、平衡分布変化や化学反応に与える水素イオン濃度依存性を取り扱うための一般的な方法論として、有益なものであると考えられる。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(2 results)
Research Products
(9 results)