生命システム解明を目指したNMRによる生体分子間相互作用解析法の開発
Project/Area Number |
14011262
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
高橋 栄夫 独立行政法人産業技術総合研究所, 生物情報解析研究センター, 主任研究員 (60265717)
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Project Period (FY) |
2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥4,900,000 (Direct Cost: ¥4,900,000)
Fiscal Year 2002: ¥4,900,000 (Direct Cost: ¥4,900,000)
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Keywords | NMR / 蛋白質 / 相互作用 / 総合界面 / 交差飽和 |
Research Abstract |
研究代表者らが開発した交差飽和法は、タンパク質複合体の相互作用界面を、これまでにない精度で決定することが可能な手法であるが、その適用にあたっては、高分子量蛋白質複合体におけるスピン拡散を抑制するために、リガンド蛋白質を高度に重水素化することがポイントとなる。しかしながら、これは測定感度の低下を引き起こすことになり、網羅的な相互作用解析に適しているとはいい難かった。本研究では、側鎖メチルプロトンを利用することで、交差飽和法における問題点を克服することを試みた。 はじめに、交差飽和実験の計算プログラムを作成し、メチル基の交差飽和実験のシミュレーションを行った。その結果、メチル基特有の回転運動に起因するメチルプロトンのT1が短いという特徴により、交差飽和実験結果に悪影響を与える分子内スピン拡散効果は軽減されることが明らかとなった。実験のモデル系としては、複合体分子量164KのFB-マウスIgG1の系を利用した。メチル基選択的な安定同位体標識は、Kayらにより提案されているILV標識法で行った。照射領域の検討を行い、250ミリ秒の短い照射時間でも相互作用界面に存在するメチルプロトンに、交差飽和による顕著な強度減少が見られたことから、分子間飽和移動の効率は極めて高いことが明らかとなった。さらに、メチルプロトンの短いT1により、繰り返し時間を短縮することが可能であり、アミドプロトン検出(90%重水溶媒条件)の場合に比べ、圧倒的に検出感度は高くなった。特に高分子量蛋白質において、メチルプロトン検出は、TROSYを利用したアミドプロトン検出以上に感度が良いことが知られていることから、本法は高分子量蛋白質複合体の相互作用残基の決定において極めて有効な方法になると考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)