脳血管障害におけるゲノム創薬ターゲット探索法の開発
Project/Area Number |
14013029
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
田中 利男 三重大学, 医学部, 教授 (00135443)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
角田 宏 三重大学, 医学部, 助手 (20314114)
西村 有平 三重大学, 医学部, 講師 (30303720)
中 充子 三重大学, 医学部, 講師 (10093139)
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Project Period (FY) |
2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥4,900,000 (Direct Cost: ¥4,900,000)
Fiscal Year 2002: ¥4,900,000 (Direct Cost: ¥4,900,000)
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Keywords | cerebral vasospasm / basilar artery / rat / antisense oligodeoxynucleotide / heat shock protein 72 / heat shock protein 27 |
Research Abstract |
本研究の目的は、現在世界的に発展されつつあるゲノム創薬科学において、ゲノム上の新規創薬ターゲット探索法を確立することにある。特に脳血管攣縮病態においては、脳血管撃縮がくも膜下出血患者の最大の予後不良因子であり、脳虚血、脳梗塞からさらに死に至る重篤な病態である。しかしながら、確立された治療薬が存在しない。そこで、我々は、脳血管攣縮病態特異的遺伝子群を同定し、この遺伝子群の中から新しい創薬ターゲットを探索し、我々が独自に構築した医薬品、疾患に関連する遺伝子からなるゲノム創薬データベースとの統合により、新しいゲノム創薬ターゲット探索法の確立を試みた。 具体的には、ラット脳血管攣縮病態における脳底動脈と正常脳底動脈からSMART-PCRによりds cDNAを作製し、サブトラクションにより脳血管攣縮病態の特異的に発現する遺伝子群のスクリーニングを行った。この遺伝子群アンチセンス解析により、small heat shock protein 27(HSP27)を特異的に抑制すると、遅発性攣縮の増悪が認められた。このことから、HSP27は、脳血管攣縮病態における新規創薬ターゲヅトであることが示差された。 我々が、すでにアンチセンス解析により見出している創薬ターゲットheat shock protein 72(HSP72)は、その特異的抑制により、遅発性攣縮のピークで増悪する。これは、以前我々が報告したHeme Oxygenase-1(HO-1)の特異的抑制で得られた攣縮パターンとは異なり、別の作用機序で抗攣縮効果を発揮していると考えられる。さらに、薬物によりHSP72を誘導すると、脳血管攣縮の改善が認められたことから、脳血管攣縮の創薬ターゲットとしての有効性が確立された。我々の創薬ターゲット探索法は有効であったと考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)