Project/Area Number |
14014259
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
齊藤 修 財団法人東京都医学研究機構, 東京都神経科学総合研究所, 研究員 (60241262)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保 義弘 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (80211887)
小田桐 恵 財団法人東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 研究員 (10260308)
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Project Period (FY) |
2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥5,800,000 (Direct Cost: ¥5,800,000)
Fiscal Year 2002: ¥5,800,000 (Direct Cost: ¥5,800,000)
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Keywords | 受容体 / Gタンパク / 情報伝達 / 脱感作 / 細胞膜移行 |
Research Abstract |
これまでの研究から、RGSタンパクなどの三量体Gタンパクの応答調節系は、入力依存的にまた部位特異的に入力部位の細胞膜上のGタンパクの近傍に種々のGタンパク調節因子が移動して機能する機構であると想定される。そこで本研究では、細胞膜移行を指標に、様々なGタンパク制御因子群を見つけ出し、Gタンパク制御システムを明らかにしていくことを目的にした。 (1)Gタンパク刺激後に細胞膜に集積してくるピュータティブなGタンパク制御因子群を見つけ出して行くため、まず培養細胞の細胞膜の分画法を検討し、次いで、二次元電気泳動の泳動条件を詳しく検討した。しかし、タンパクスポットの量の変動の再現性を得るのに困難を極め、結局この方法による変動タンパクの同定は一時保留した。 (2)そこで、次に活性化依存的に細胞膜上のGαに結合してくる分子群を見出す観点で、まず脳の抽出液から非変性状態でGαを含む複合体を、免疫沈降する手法を試みた。まず脳に豊富に存在するGαoに注目して、抗Gαo抗体を用いて種々の条件検討を行った。そして、Gαoを効率よく免疫沈降できる条件が分かり、その条件で分子量30〜35KDaのタンパクが挙動を共にすることが判明した。今後さらに、条件を変えて複合体精製を試み、多くのピュータティブなGタンパク制御因子の検索を試みる。 (3)細胞膜移行するGタンパク制御因子を検索するもう一つのアプローチは、既に膜移行することが知られている分子の膜移行の機構・性質を明らかにして、同様の機構を使う因子を見つけ出していくことである。そこで、活性化Gタンパクの共発現で核から細胞膜に移動することが既に明らかになっているRGS8の組み換えタンパクを作成して、その細胞膜結合性を詳しく検討した。そして、まずGST融合タンパクとして調製した可溶性のRGS8タンパクが、実際に小脳の膜画分に結合することが超遠心法で明らかになった。その上、Gタンパク活性化条件では、さらにその膜結合が増強することが明らかになった。そこで、RGS8タンパクが小脳膜画分中の脂質やタンパクと結合することが考えられたが、次にRGS8がどのような脂質と親和性があるのか、各種の脂質をスポットしたメンブレンでprotein-lipid overlay assayを行った。そして、RGS8が、LPAとイノシトールリン脂質に、さらに弱く主要な細胞膜リン脂質のホスファチジルセリンに結合することが明らかになった。また、グルタチオンビーズを利用した共沈実験によって、小脳膜画分のどのタンパク成分がRGS8に結合しうるか、またそれはGタンパク活性化で変化するかどうか検討した。すると40kDaのタンパクが、Gタンパク活性化条件で有意に結合が増加し、一方、50kDaと75kDaのタンパクがGタンパクの活性非依存的に結合することが判明した。40kDaのタンパクは、Gαと考えられた。このように活性依存的な膜移行性を示すRGS8タンパクの、特徴的な性質の幾つかが明らかになってきた。今後、さらにこの膜移行タンパクの特徴を明らかにして、その責任配列などを解明していけば、同様な新規分子群を見つけ出していけると考えられる。
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