随意性眼球運動の制御における内側および腹側視床の役割の解明
Project/Area Number |
14017004
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
田中 真樹 北海道大学, 大学院・医学研究科, 講師 (90301887)
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Project Period (FY) |
2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥4,800,000 (Direct Cost: ¥4,800,000)
Fiscal Year 2002: ¥4,800,000 (Direct Cost: ¥4,800,000)
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Keywords | 眼球運動 / 運動性視床 / 神経活動 / 霊長類 |
Research Abstract |
交付を受けた研究助成金により、サルの慢性実験用のシステムを構築して2頭のサルを訓練し、行動解析および運動性視床からの単一神経細胞外記録をおこなった。訓練と並行して行った行動実験では、行動のモニターに運動系のどのレベルの信号が用いられるのか、眼球運動系における小脳学習課題によって調べた。この実験ではふたつの視標を短時間提示し、サルはこれらが消えた後にそれぞれの位置向かって順にサッカードをするように要求された。このとき、ひとつ目のサッカードのベクトルは視標の網膜座標に一致するが、ふたつ目のサッカードは視標の網膜位置から直前の眼球運動を引き算して計算される。ひとつ目のサッカードを学習課題によって変化させたところ、ふたつ目のサッカードの振幅が変化した。この結果から、小脳より下流から発し、運動性視床を介して大脳皮質に至る上行性の経路が随意性眼球運動の制御に重要であることが示された。この成果は現在投稿中てある。また、これらのサルの運動性視床から眼球運動に関連した神経活動を記録し、サッカード、眼球位置、遅延期間などに特異的に応答するニューロン群を見いだした。サッカードに関連するものの多くは運動に遅れて活動を変化させ、眼球位置に関連するものはその方向選択性が水平または垂直方向にほぼ限られていた。このことは視床が運動の発現よりもその評価に関係している可能性を示唆し、その信号は脳幹からの上行性の投射によってもたらされていると考えられる。また、遅延期間に応答するニューロンの一部は滑動性眼球運動の際にも活動を変化させた。今後はこれらの神経活動の定量的な解析をおこない、その信号が運動の制御にどのように用いられるのかを調べていく必要がある。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)