海馬スライス標本を用いた相互結合型神経回路における自己組織化過程の実験的研究
Project/Area Number |
14017013
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
片山 統裕 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 助手 (20282030)
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Project Period (FY) |
2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥4,500,000 (Direct Cost: ¥4,500,000)
Fiscal Year 2002: ¥4,500,000 (Direct Cost: ¥4,500,000)
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Keywords | 連想記憶 / ニューラルネットワーク / モデル / テトロード / 同期発火 / 教師なし学習 / バースト活動 / ゆらぎ |
Research Abstract |
脳の記憶形成において重要な役割を担っている海馬CA3領域においては,主要ニューロンである錐体ニューロンがリカレント結合を形成し、しかもこのシナプスがヘブ型可塑性を有しているという特徴がある。そのため、相互結合型ネットワークの自己組織化現象を利用した連想記憶機能が実現されている可能性が指摘されている。 本研究では、その可能性を実験的に検討するために、モルモット海馬スライス内CA3領域の複数のニューロン活動を、多重電極テトロードを利用して同時記録し、回路構造を反映すると考えられる、時空間的な発火パターンを追跡した。高濃度KC1を負荷することによりニューロンの自発活動を惹起するとともに、テスト刺激として苔状線維に単発パルス刺激を10秒間隔で与えた。また、条件刺激として苔状線維へθバースト刺激を与えた。 テスト刺激に関するニューロン活動のperi-stimulus time histgram(PSTH)を調べた結果、刺激から約5ms後に立ち上がり、5ms程度の幅をもつ成分(C5)と、約10ms後に立ち上がり、数10msの幅をもつ成分(C10)が見られた。応答潜時、分布の幅などを考慮すると、C5は苔状線維シナプスを介する単シナプス性の反応に、一方、C10はシャーファー側枝による反回性結合などを介する多シナプス性の反応に対応するものと考えられる。 θバースト刺激の前後において、ニューロンのペアについて作成した相関ヒストグラムを比較した。その結果、相互相関係数等の統計パラメータが変化するペアが多数見出された。これは、苔状線維へのθバースト刺激により、CA3回路において反回性シナプスがつくる回路網が自己組織的に変化した可能性を示唆する。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)