神経回路形成における新規RhoファミリーG蛋白質の役割
Project/Area Number |
14017044
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
根岸 学 京都大学, 生命科学研究科, 教授 (60201696)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 裕教 京都大学, 生命科学研究科, 助手 (50303847)
|
Project Period (FY) |
2002
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
|
Budget Amount *help |
¥7,000,000 (Direct Cost: ¥7,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥7,000,000 (Direct Cost: ¥7,000,000)
|
Keywords | 神経突起 / Rho / Rnd / Plexin / 微小管 / RhpGEF / 分枝化 |
Research Abstract |
神経回路は、特異な細胞極性を有する神経細胞がその神経突起を介した接着により形成する複雑なネットワークシステムである。この神経突起形成に低分子量G蛋白質、Rhoファミリーが深く関与しており、細胞骨格の再構築により、RhoAは神経突起の退縮を、Rac1とCdc42は突起の伸長を引き起こすことが知られている。しかし、Rhoファミリーには他に多数のG蛋白質があり、それらの機能についてはほとんど不明である。そこで、我々は中枢神経系に特異的に発現しているRndサブファミリーの神経機能の解析をおこなった。 酵母のtwo-hybrid法でクローニングしたRnd2の新規のエフェクター、Rapostlinの神経軸索分枝化機構を調べた。RapostlinはN末端のFCHドメインを含めた領域で直接微小管に結合した。この領域を欠損した変異Rapostlinは神経軸索の分枝化能を失い、この領域のみを持つ変異体は分枝化を強く抑制し、ドミナントネガティブ体として働いた。このことから、RapostlinはN末端で微小管に結合して軸索の分枝化を制御していることがわかった。一方、Rnd1の機能を調べるため、Rnd1に結合する分子を酵母のtwo-hybrid法でスクリーニングし、Plexin B1がRnd1に特異的に結合した。Plexinファミリーの中でRnd1はB1のみに結合し、その結合ドメインは細胞内領域の中央あたりであった。Rnd1はPlexin B1に結合し、COS-7細胞で細胞体退縮を引き起こした。この作用はRhoを活性化することにより引き起こされた。Plexin B1はそのC末端でRhoのGEF、PDZ-RhoGEFに結合することが知られているが、Rnd1はPlexin B1とPDZ-RhoGEFの結合を促進し、Rhoを活性化することがわかった。これらのことから、Rnd1はPlexin B1によるRho活性化を介した細胞体退縮作用に重要な役割を果たしているものと思われる。
|
Report
(1 results)
Research Products
(6 results)