中脳コリン作動性細胞とドーパミン細胞の強化学習の脳内構構への関与
Project/Area Number |
14017094
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
伊佐 正 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 教授 (20212805)
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Project Period (FY) |
2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥5,000,000 (Direct Cost: ¥5,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥5,000,000 (Direct Cost: ¥5,000,000)
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Keywords | ドーパミン細胞 / 脳スライス標本 / アセチルコリン / カルシウム / 非選択的カチオン電流 / パッチクランプ法 / ニコチン受容体 / ムスカリン受容体 |
Research Abstract |
中脳ドーパミン細胞の活動パターンの生成におけるコリン作動性入力の修飾作用を解析する研究の第一段階として、ラット中脳スライス標本においてドーパミン細胞よりpatch clamp法による記録を行い、アセチルコリンないしはカルバコールの投与の効果を解析した。前年度までの研究で、ドーパミン細胞において、アセチルコリンの空気圧による短時間(10-40ms)投与により、生じるニコチン型受容体の活性化に伴って流入するカルシウムによって2次的に活性化するおそらく非選択的カチオン電流と考えられる電流成分が存在することを明らかにしてきた。この電流成分はfulfenamic acid(FFA)及びphenytoin感受性で-80mVから-40mVの膜電位においてnegative slope conductanceを有していた。このことからこの電流成分はドーパミン細胞の脱分極応答を顕著に増強することが示唆された。そこで今年度はcurrent clamp記録化においてアセチルコリンによるドーパミン細胞の脱分極応答の増強効果を解析した。実験の諸条件を検討した結果、実験の諸条件を検討した結果、amphotericin Bを用いたperforated patch clamp記録においてグルタミン酸1mMを瞬間的圧投与(10ms)して誘発される脱分極応答は、カルバコール30-50μMをbath投与することによって顕著に増大し、プラトー様の電位を生成することを見出した。この電位応答はニコチン受容体の拮抗薬であるメカミラミン5μMによって抑制を受け、さらにFFA 200Mによっても抑制されたことからニコチン受容体の活性化に伴って誘発されるFFA感受性電流が寄与していることが示唆された。尚、この脱分極応答の増強にはドーパミン細胞において顕著であるCa^<2+>-activated K^+ channelによって生じる巨大な活動電位後過分極電位の抑制が必要であるが、既に報告があるように(Scroggs et al.2000)カルバコールによるムスカリン受容体の活性化によるCa^<2+>-activated K^+ channelの抑制が寄与していることも確認された。このようにニコチン受容体とムスカリン受容体の機能協関がドーパミン細胞の顕著な脱分極応答の増強作用に関与していることが今回の研究で明らかになった。
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Report
(1 results)
Research Products
(10 results)