Budget Amount *help |
¥3,800,000 (Direct Cost: ¥3,800,000)
Fiscal Year 2002: ¥3,800,000 (Direct Cost: ¥3,800,000)
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Research Abstract |
この研究の目的は凸計画問題に対する計算手法をGrid技術を用いた分散コンピューティング環境で並列化・高速化し,それを緩和として利用し,組合せ最適化問題の解法を開発することにあった.このための研究を行い,以下の成果を得た. 1.逐次凸緩和に用いる半正定値計画問題に対するソフトウエアSDPAを高速化し,計算実験を行った.この高速化により,半正定値計画問題に対する既存の汎用ソフトウエアのなかで最速となった. 2.SDPAにおいて探索方向を計算する部分に関して並列化を行ったソフトウエアSDPARAを開発し,計算実験を行い,その有効性を検証した.特に,量子化学から生ずる大規模な半正定値計画問題を解くことに初めて成功した.より大規模な問題を解くため本グループが提案した半正定値補完技術に基づくデータ疎生の有効利用を並列計算に用いる研究を行い,その並列実装を開始した. 3.より柔軟な逐次凸緩和の枠組みを提案した.これにより,従来の半正定値計画,線形計画に加えて2次錐計画を含む様々な凸計画問題を緩和に利用可能になった.また,線形計画緩和に関して実験的解析を行い,特殊な問題に関しては半正定値計画緩和よりも有効であることを示した. 4.逐次凸緩和を利用した組合せ最適化問題を含む非凸最適化問題に対する並列分枝限定法を提案し,その開発を開始した.すでに中規模な問題に対する計算実験を行い,提案した並列分枝限定法が有効に働くことを検証している.より大規模な問題を高速に解くためには,上記の1,2,3で行った研究をこの枠組に取り込む必要がある.
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