動的状況での視覚認知における情報統合メカニズムの研究
Project/Area Number |
14019053
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
齋木 潤 京都大学, 情報学研究科, 助教授 (60283470)
|
Project Period (FY) |
2002
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
|
Budget Amount *help |
¥4,600,000 (Direct Cost: ¥4,600,000)
Fiscal Year 2002: ¥4,600,000 (Direct Cost: ¥4,600,000)
|
Keywords | 視覚的作業記憶 / 視覚的注意 / 情報統合 / 顕著性マップ / 探索非対称性 / ニューラルネットワークモデル |
Research Abstract |
(1)異なる視覚属性の統合に関して、多物体恒常性追跡法(MOPT)という課題を考案し,色と形態などの属性情報と時空間的位置情報の視覚的作業記憶における統合を検討した.従来の視覚的作業記憶内に4つから5つの物体の情報を同時に保持できるという主張とは異なり,動的かつ多次元な状況においては,せいぜい2つの物体の情報しか同時に保持することができないことがわかった.また,運動速度(表象変換のコスト)と保持すべき物体数(表象保持のコスト)の関係を調べた実験ではこれらが独立な効果を持つことがわかった.さらに,色と形態の組合せを動的に保持変換する課題から,知覚属性同士の統合された情報の利用可能性も動的な状況では静止状況に比べて非常に低下することがわかった.総合すると我々の視覚的作業記憶は属性と位置の統合された物体表象が機能単位になっているというよりは,属性と位置の統合自体が物体の運動速度や保持すべき物体の個数の関数になっていることがわかった.こうした時空間特性は,信号検出理論をもとにした単純な数理モデルで記述することが可能であった. (2)MOPT事態での心理過程のモデル化の準備として視覚探索課題における注意の移動のニューラルネットワークモデルを構築した.視覚的注意のモデルでよく用いられる顕著性マップモデルに確率的な挙動を導入することによって視覚探索における探索非対称性の現象を自然に説明することが可能になった.従来の探索非対称性の説明とは異なり,探索すべき属性に対するトップダウンな注意の制御を仮定しない点が本モデルの特色である.また,モデルからの予測であるシングルトンサーチ事態における探索非対称性の生起を心理実験によって確認した.
|
Report
(1 results)
Research Products
(5 results)