獲得免疫の成立過程におけるIL-7レセプターの機能
Project/Area Number |
14021050
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
生田 宏一 京都大学, ウイルス研究所, 教授 (90193177)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
YE Sang?Kyu 京都大学, ウイルス研究所, 日本学術振興会外国人特別研究員
|
Project Period (FY) |
2002
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
|
Budget Amount *help |
¥6,000,000 (Direct Cost: ¥6,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥6,000,000 (Direct Cost: ¥6,000,000)
|
Keywords | サイトカインレセプター / インターロイキン7 / T細胞 / T細胞抗原受容体 / 転写 / シグナル伝達 |
Research Abstract |
本研究の目的は、末梢T細胞がTCRからの刺激を受けた後にIL-7Rの発現が低下する分子機構を解明することにある。 まず、末梢のT細胞におけるIL-7Rの発現の動態を調べた。正常マウスの脾臓T細胞を抗CD4・抗CD8・抗IL-7R抗体を用いて染色し、フローサイトメトリーにて解析した。その結果、CD4T細胞およびCD8T細胞のいずれの分画においても大部分の細胞がIL-7Rを発現していた。次に、TCR刺激後のIL-7Rの発現の変化を調べた。脾臓T細胞を固相化抗CD3抗体で刺激し、16時間後に細胞を回収し解析した。その結果、刺激しない細胞ではIL-7Rが高いレベルで発現していたが、抗CD3抗体で刺激した細胞ではIL-7Rの発現がほとんど見られなかった。 同様の結果は、胸腺細胞においても認められた。胸腺細胞の各分画におけるIL-7Rの発現を解析すると、IL-7RはCD4(-)CD8(-)DN分画とSP分画で発現していたが、DP分画ではまったく発現が見られなかった。さらに、RAG2ノックアウトに抗CD3抗体を投与すると、4日後に胸腺細胞がDN分画からDP分画へと進むにつれ、IL-7Rの発現も消失した。以上のことから、プレTCR/TCRシグナルによってIL-7Rの発現が低下することが示された。 次に、このIL-7Rの発現の低下がどのレベルで起こっているかを明らかにする目的で、IL-7Rα鎖の転写を調べた。胸腺細胞の各分画を磁気ビーズとセルソーターを用いて単離し、半定量的RT-PCR法にてmRNAのレベルを解析した。その結果、IL-7Rα鎖のmRNAがDP分画で顕著に低下していることが明らかになった。 以上の結果から、プレTCR/TCRシグナルによってIL-7Rの発現が低下し、それが転写のレベルで誘導されることが明らかとなった。現在、IL-7Rα鎖遺伝子のプロモーター領域の機能解析を進めている。
|
Report
(1 results)
Research Products
(4 results)