HIV外皮蛋白断片gp41-C34を基にした人工設計型細胞融合阻害剤の創製研究
Project/Area Number |
14021051
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
玉村 啓和 京都大学, 薬学研究科, 講師 (80217182)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大高 章 京都大学, 薬学研究科, 助教授 (20201973)
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Project Period (FY) |
2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,900,000)
Fiscal Year 2002: ¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,900,000)
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Keywords | 6 helical bundle構造 / 膜融合阻害剤 / SC34 / 人工設計 / X線結晶解析 / CXCR4アンタゴニスト / T140 / ケモカインレセプター |
Research Abstract |
ここ数年、HIVの細胞への侵入のメカニズムの解明に関する研究が飛躍的に進み、「CCR5,CXCR4といったケモカインレセプターがCD4に続くコレセプターであること」と、「HIVのエンベロープ蛋白gp41が細胞に融合する時に6 helical bundle構造を形成すること」が明らかになった。そこで我々は、この2つの作用点に注目し、1.膜融合阻害剤と2.CXCR4アンタゴニストの開発研究を行った。 1.SC34を基盤とする膜融合阻害剤の創製研究 C34(gp41のC端側helix領域ペプチド)を基に我々が人工設計した34アミノ酸残基ペプチドSC34およびSC34(EK)は、gp41のN端側helix領域の3量体構造に作用する膜融合阻害剤(6 helical bundle構造形成阻害剤、EC_<50>=0.23nM)であり、今年度、SC34(EK)とN36の複合体の結晶化に成功し、このX線結晶解析を行った。本解析により、複合体が実際に6 helical bundle構造を形成していること、および、SC34(EK)に多く導入したGlu及びLys残基の側鎖はbundle構造から外へ向いていることを明らかにした。そこで、SC34(EK)に2個見られるGlu-Glu-X-X-Lys-Lysの繰り返しのモチーフを5個含むようにデザインしたSC35(EK)を合成した。SC35(EK)の抗HIV活性は、SC34(EK)と同等かやや低下したが(EC_<50>=0.39nM)、6 helical bundle構造の安定性は上昇した。また、これらSC34(EK)誘導体はC34耐性株にも有効性を示した。 2.T140を基盤とするCXCR4アンタゴニストの創製研究 我々が数年前に発見したT140は、T細胞指向性HIV-1(X4-HIV-1)の細胞への侵入を特異的にブロックする14アミノ酸残基のペプチド性CXCR4アンタゴニストである。今年度、マウス血清、およびラット肝臓ホモジネート処理においても安定なT140誘導体を見い出した。その際、N末端をアシル化修飾することにより、この部位が新たなpharmacophoreになることがわかり、新規高活性CXCR4アンタゴニスト4F-benzoyl-TE14011を創出した。また、T140のpharmacophoreであるArg^2,Na1^3,Tyr^5,Arg^<14>を含む環状ペンタペプチドライブラリーを構築し、この中からT140に匹敵する高活性を有する化合物FC131を見い出した。本化合物は、分子量約700であり、低分子CXCR4アンタゴニストのリード化合物として有用であると思われる。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)