宿主B細胞を利用したHIV-1遺伝子高頻度突然変異誘導機構
Project/Area Number |
14021118
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
北村 大介 東京理科大学, 生命科学研究所, 教授 (70204914)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 克彦 東京理科大学, 生命科学研究所, 助手 (20287486)
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Project Period (FY) |
2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥5,800,000 (Direct Cost: ¥5,800,000)
Fiscal Year 2002: ¥5,800,000 (Direct Cost: ¥5,800,000)
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Keywords | HIV-1 / 体細胞突然変異 / B細胞 / 胚中心 / トランスジェニックマウス / 後天性免疫不全症候群 / 免疫グロブリン遺伝子 |
Research Abstract |
後天性免疫不全症候群を引き起こすHIV-1は高率に変異を起こし、これが抗HIV薬剤耐性のみならず、宿主の獲得免疫応答をウィルスが回避する原因となっている。HIV-1ゲノムの高変異性は逆転写酵素に起因するとされているが、最近、HIV-1遺伝子産物にRNA editingが見出されるなど、宿主側の何らかの機構も寄与している可能性がある。In vitroでHIV-1が活性化B細胞に感染し複製しうること、HIV関連リンフォーマが胚中心B細胞に由来し、HIV-1プロウィルスを有することなどから、感染者において胚中心B細胞にはHIV-1が感染しうると思われる。胚中心B細胞では、免疫グロブリン(Ig)遺伝子に高率に突然変異が起こるが、これはIg遺伝子エンハンサー領域およびそれに基づく転写に依存する。Igエンハンサーに働くいくつかの転写因子はHIV-1のLTRにも作用するので、HIV-1プロウィルス遺伝子はIg遺伝子と同様に活性化刺激により転写誘導され、突然変異誘導活性の標的となっている可能性が考えられる。これを検証するために、pol遺伝子の一部を除いたHIV-1プロウィルスを有するトランスジェニックマウス(東大医科研・岩倉洋一郎博士より)を用いた。Ig遺伝子突然変異が蓄積する5ヶ月令以降のマウスのパイエル板から胚中心B細胞を分離し、そのゲノムDNAからgp120 V3,V4 loop部分をPCR法にて増幅し、塩基配列を決した。その結果、変異の頻度は約1x10^<-4>で、Ig遺伝子の変異頻度(約10^<-2>)に比較すると低いが、PCRのエラー率(10^<-7>)よりはるかに高いので、染色体DNAに発生した変異であると考えられた。変異率が比較的低い理由については、トランスジーンの挿入部位の発現への影響やコピー数が多い(約10コピー)ことが影響している可能性がある。これらの可能性を考慮して、新たにコピー数の少ないHIV-1プロウィルスのトランスジェニックマウスを作製することにした。ES細胞にHIV-1Δpol遺伝子を導入し、1〜2コピー挿入された細胞を同定した。今後、このES細胞を用いてキメラマウスを作製する。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)