翻訳反応におけるRNAヘリケースA/ウイルスmRNA複合体の生物学的意義の解明
Project/Area Number |
14021123
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
藤井 亮爾 聖マリアンナ医科大学, 難病治療研究センター, 助手 (10333535)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 利博 聖マリアンナ医科大学, 難病治療研究センター, 助教授 (90260752)
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Project Period (FY) |
2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,900,000)
Fiscal Year 2002: ¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,900,000)
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Keywords | 遺伝子 / HIV / 核酸 / 感染症 / 発現制御 / RNAヘリケースA / 転写統合装置 / ウイルス |
Research Abstract |
当研究室では、RNAヘリケースA(RHA)/転写統合装置CBP複合体の研究を一貫して行っている。その過程において、RHAがHIV-1のTARと呼ばれるRNA高次構造に結合し、その遺伝子発現に重要な役割を果たしていることを証明した。またRHAは核と細胞質を行き来するが、RHAの核移行能欠失変異体(RHA _<K1163A>)は細胞質に局在する。つまりRHA _<K1163A>は核内で作用できないが、それにもかかわらずTAR RNAの相補領域を含むHIV-1 LTRからの遺伝子発現を活性化した。この実験結果は、TAR RNA依存的なRHAの細胞質における作用点の存在を示す。そこで本研究では、「TAR RNA-RHA複合体の細胞質における生物学的意義を明らかにする。」ことを目的とした。 まず細胞質に局在するRHA _<K1163A>が遺伝子発現のどのステップで作用しているかについて調べるため、ノーザンブロット法によりmRNAの定量を行った。その結果、RHA _<K1163A>の活性化効果は、翻訳反応の活性化ではなく、mRNA量によって規定されていることが明らかとなった。mRNA量増加の原因として、「転写量の増加」と「mRNAの分解抑制」の2つの可能性が考えられる。後者の可能性についてはmRHAの半減期への影響を検討中であるが、野生型RHA、RHA _<K1163A>はともに半減期を延長した。前者の可能性については核Run Onアッセイにより検討中である。ヘリケースであるRHAには、やはりRNAシャペロンとしての機能が備わっており、mRHAの半減期を延ばし、結果的に遺伝子発現を活性化していると思われる。HIVがわざわざ一度、宿主染色体上へ組み込まれるのは、このRNAシャペロンとしてのRHAを利用することがその理由の1つかもしれない。
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Report
(1 results)
Research Products
(9 results)