C型肝炎ウィルスの細胞および個体免疫系修飾による持続感染成立機序の解析とその制御
Project/Area Number |
14021136
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
小原 道法 財団法人東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 副参事研究員 (10250218)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
米川 博通 財団法人東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 参事研究員 (30142110)
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Project Period (FY) |
2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥6,000,000 (Direct Cost: ¥6,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥6,000,000 (Direct Cost: ¥6,000,000)
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Keywords | C型肝炎ウイルス / 持続感染 / インターフェロン / 免疫抑制 / 免疫寛容 |
Research Abstract |
C型肝炎ウイルスは世界中で2億人、日本でも200万人にのぼる感染者が存在することから重大かつ深刻な感染症のひとつである。HCV感染の最も深刻な問題は、感染後80〜90%の高率で持続感染化し、さらに毎年3万6千人もが肝細胞癌を発症し、そしてその多くが死に至ることである。この持続感染機構と発癌機序を明らかにし有効な対策をたてることは重要かつ緊急の社会的要請となっている。特に現在、唯一有効な抗HCV薬としてインターフェロン(IFN)が用いられているが、有効率は30%程度と低く、副作用も強く治療可能な対象者が限られ、治療途中での中止例も20-30%に上ることから、より安全で有効な治療薬の開発が求められている。HCVは複製中間体として2本鎖RNAを作ることにより、生体の防御システムであるインターフェロン系を誘導するはずであるが、IFN系により排除されずに持続感染する。このIFN系などの細胞内免疫から逃避する機構を解明するために、我々はHCVの全長遺伝子がコンディショナルに発現し、かつ細胞内でウイルスが複製しうる系を作成して、HCVの発現がインターフェロンシグナル伝達系に与える影響を経時的に検討した。特に、複製中間体である2本鎖RNAにより活性化されるIRF-3とHCVの関係について解析した。 HCVの全長遺伝子を発現させると一過性にIFN-βが誘導されるが、約1週間で発現前のレベルに低下した。IRF-3の活性型である2量体形成を検討したところ、HCVの発現によるIRF-3の2量体形成誘導はNDV感染時に比較して微弱であることが示された。また、HCVの発現によってIRF-3の細胞質から核内への移行が阻害されていることが明らかとなった。 HCVは複製中間体である2本鎖RNAによって引き起こされる、もっとも初期の反応であるIRF-3の活性化を抑制している可能性が示された。今後は、この抑制機序について解析を進めていく。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)