CCDカメラとコンピュータネットワークを活用した半仮想化学実験システムの開発
Project/Area Number |
14022202
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Humanities and Social Sciences
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Research Institution | Hokkaido University of Education |
Principal Investigator |
田口 哲 北海道教育大学, 教育学部・札幌校, 助教授 (60281862)
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Project Period (FY) |
2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥3,700,000 (Direct Cost: ¥3,700,000)
Fiscal Year 2002: ¥3,700,000 (Direct Cost: ¥3,700,000)
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Keywords | CCDカメラ / コンピュータネットワーク / 実験教材 / 理科教材 / 仮想実験 / スペクトル / 拡散現象 / 結晶成長 |
Research Abstract |
本年度は,「炎色反応を利用した原子スペクトルの演示実験」「物質の拡散速度の測定」「結晶成長速度の測定」といったテーマを中心に実験教材を開発した。「炎色反応を利用した原子スペクトルの演示実験」では,簡易型自作分光器をCCDカメラおよびコンピュータに接続し,塩化ナトリウムや塩化リチウムを溶解したメタノール溶液を燃焼することで観察される炎色光のスペクトルをクラス一斉に観測する方法を考案した。この教材を用いて,中学生を対象に「土曜講座」と称した実験教室を開催したところ好評を得た(2002年11月4日付文教ニュースで紹介された)。「物質の拡散速度の測定」では,硫酸銅水溶液が純水中に拡散する様子を1時間毎に120時間にわたってCCDカメラで自動撮影し,定点における硫酸銅濃度の時間変化をコンピュータによる画像解析により測定し拡散係数を求める方法を考案した。ここで得られた拡散係数は文献値とほぼ一致した。また,本教材では,濃度変化の様子を3D-CGで表現することが可能であり,物質の拡散の様子を生徒に分かりやすく伝えるのに有用である。拡散現象は大変遅い現象であり実験教材化し難いものであるが,CCDカメラとコンピュータを用いて測定を自動化することで教材化が可能になった。この成果は第82回日本化学会秋季年会で発表した。「結晶成長速度の測定」では,塩化ナトリウム飽和水溶液をスライドガラス上に一滴滴下し,水が蒸発し塩化ナトリウムの結晶が析出してくる様子を実体顕微鏡に接続したデジタルビデオカメラで動画として撮影すると同時に,水滴を側面方向からCCDカメラで静止画として撮影した。これらを解析することで,結晶核出現速度や結晶核成長速度と水滴の厚さとの間には関係があることを見出した。物質の溶解や再結晶は,小中学校や高校理科でも重要事項として取り上げられており,本教材によりこれら内容のより深い理解の可能性が示唆された。更に,これら成果を発展させ,上記実験をインターネット上で半仮想実験として行えるようなコンテンツを開発中である。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)