Budget Amount *help |
¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
Fiscal Year 2002: ¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
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Research Abstract |
自然への知的好奇心や探究心を高め,論理的思考能力や創造性を伸ばす上で,「実験を通した学習」の有効性が広く認められている.仮想実験環境とは,計算機上に仮想的な実験環境を構築し,より安全かつ手軽に,またより多くの学習者が主体的に実験に参加できるようにすることを目指して研究されているものである.平成14年度においては,仮想実験環境を構成するモジュールの一つである「思考実験シミュレータ」のプロトタイプを実現した.この「思考実験シミュレータ」では,学習者の仮説を入力として,生起する現象をその仮説に基づいて予測し,その推論過程と生起する現象を学習者に可視化する機能を実現している.この際,学習者の立てた誤った仮説に基づいて,ありえない現象を予測し,またその現象を可視化することによって学習者に仮説の誤りに気づかせることを狙っている点が特色となる. 本思考実験シミュレータは,実験の対象を力学系とした上で,(1)仮説入力インタフェイス,(2)定性的因果推論モジュール,(3)可視化モジュール,により構成されている.仮説入力インタフェイスにおいては,学習者が入力できる仮説を,対象となる力学系において観測可能なパラメータの定性的振る舞い間の因果関係のみに制限している.定性的因果推論モジュールでは,予め力学系についての因果関係モデルを用意しておき,そのモデルに対して学習者の仮説を追加することにより,学習者の仮説を反映した現象の予測を行う.可視化モジュールは,さらに,(a)推論過程可視化機能,と(b)現象可視化機能,により構成している.
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