Budget Amount *help |
¥4,000,000 (Direct Cost: ¥4,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥4,000,000 (Direct Cost: ¥4,000,000)
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Research Abstract |
ここ10来,理科離れの要因として,理科実験を行う機会がなくなってきている。そこで,インターネットで広帯域での利用が可能になってきていることに着目し,生徒自身の遠隔操作によって現象が変化していく様を,なるべく鮮明な映像を見ながら観察し,手軽に実験をおこなうことができるシステムを大学内に構築した。これは,ホームページ(HP)上につくられた仮想実験装置に実際の実験装置を制御するスイッチ等が配置されており,インターネットに接続された学校のコンピュータなどから,特殊なソフトを必要とせずHP上で操作を可能とした。この際大学への接続において,インターネットからSINET経由ではボトルネックがあり十分な利用環境とならないため,地域の学校専用のプライベートネットワークに接続し,観察のためのライブ映像とVODによる実験に関わる歴史的な資料のビデオ映像をなるべく高品位で使えるようにした。ただし,この接続ではセキュリティーを考えた対策が大変であった。これにより手早く実験に取りかかることができ,条件選択を自分で設定しながら測定できるので,実験の生の姿や値をもとに考察できるようになった。今回の研究では広い学年にわたって学習できる対象として,斜面の落下装置を選び,この実験装置の遠隔操作による実験授業でのノウハウや問題点の洗い出しを中心に研究を進めた。この斜面の落下運動は,「慣性・保存則・回転」などと中等教育で学ぶ力学のかなりの部分と関連している。またこの実験方法は,歴史的にガリレイによって初めて実験された歴史的経緯があり,科学者の生き方を説明し,現象の科学的なとらえ方の学習を支援する解説とビデオ映像の活用をしたHPの展開を行っている。実践では高校,中学校各1校ずつの授業で利用したが,生徒たちの評価もすこぶる好評で,次の授業を楽しみにしていることが判った。このように本研究では学校現場との連携を計り実践してきた。
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