江戸時代における銃砲類の製作技術と運用技術の実態に関する科学的研究
Project/Area Number |
14023228
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Humanities and Social Sciences
|
Research Institution | National Museum of Japanese History |
Principal Investigator |
齋藤 努 国立歴史民俗博物館, 情報資料研究部, 助教授 (50205663)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原田 一敏 東京国立博物館, 上席研究員 (20141989)
田邊 靖博 東京工業大学, 応用セラミック研究所, 助教授 (70163607)
宇田川 武久 国立歴史民俗博物館, 情報資料研究部, 教授 (70104750)
|
Project Period (FY) |
2002 – 2003
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
|
Budget Amount *help |
¥4,900,000 (Direct Cost: ¥4,900,000)
Fiscal Year 2003: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2002: ¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
|
Keywords | 鉄炮 / 火縄銃 / 金属組織 / 介在物 / 刀鍛冶 / 鉄炮鍛冶 / 火薬 / 弾速 / 材質 / 刀剣 |
Research Abstract |
走査型電子顕微鏡による分析の結果、製作技法として次の2点がわかった。1)介在物が引き延ばされた方向から、鉄炮の製作法を記した文献にみえる主要な2つの銃身製作法である「うどん張」と「巻張」によって作られた銃を検出することができた。2)分析した大部分の鉄炮(火縄銃)では、介在物としてリン・カルシウム、鉄などを主体とする、日本刀の素材とは異なる鉄が使用されていたが、分析資料の中に、明らかに介在物中に鉄-チタン酸化物を主要鉱物として含む、日本刀と共通する素材的特徴をもつものが見つかった。この資料は関連資料より、刀鍛冶によって製作されたと推定される。一方、仙台藩に伝世していた、同一の鉄炮鍛冶(「久保田宗明」銘)による短刀と鉄炮の分析結果では、短刀も鉄炮も、他の鉄炮資料に共通する特徴をもつ鉄を素材として使用していた。これらから、鉄炮鍛冶と刀鍛冶では材料調達および製作技法の面で相違があり、本業以外の製品を作る際にも材料の使い分けはしていなかった可能性があることがわかった。また運用技術として、火縄銃に用いられた黒色火薬の威力を定量的に測定するため、東工大所有の試料破壊分析用実験銃で、黒色火薬および無煙火薬によって実験用プラスチック弾を飛ばし、その弾速を調べた。両者の爆発力にはほとんど差が見られなかった。ただし、この装置では黒色火薬の使用により、金属腐食性の残渣が発生し機器の性能を著しく損なう恐れがあったため、実際に火縄銃を撃ってその弾速を調べる方法をとることにした。光センサーを使った弾速測定装置を使用し、3種類の玉目(弾丸重量:口径と関係がある)の銃で、それぞれ火薬量を変えて測定を行った。今後の課題として、爆発持続時間の測定や銃身長と弾速・運動エネルギーとの関連性などについて検討する必要があることがわかった。
|
Report
(2 results)
Research Products
(12 results)