遺伝子欠損マウスを用いたアポトーシス抑制に伴う発癌機構の解明
Project/Area Number |
14028033
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
酒巻 和弘 京都大学, 生命科学研究科, 助教授 (20271017)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
李 慶權 京都大学, 生命科学研究科, 助手 (50303912)
米原 伸 京都大学, 生命科学研究科, 教授 (00124503)
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Project Period (FY) |
2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2002: ¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
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Keywords | カスパーゼ / アポトーシス / デスレセプター / ノックアウトマウス |
Research Abstract |
カスパーゼ8は、デスレセプターを介するアポトーシス誘導に必要なだけでなく、ミトコンドリアからチトクロームCの流出が引き金となるアポトーシス誘導系においてもシグナルの増幅に欠かせない分子である。このためカスパーゼ8を欠損した細胞は、不死化の性質を獲得し癌化する可能性が考えられた。このことを検証するために本研究を行った。カスパーゼ8遺伝子欠損マウスより樹立した繊維芽細胞株(Caspase-8^<-/-> MEF細胞)は、Fasのようなデスレセプターからのアポトーシス誘導に対して抵抗性を示すが、軟寒天培地中では増殖できなかった。c-mycやK-rasを高発現した亜株においても軟寒天培地中では増殖能は認められず、がん細胞としての特異性を示さなかった。興味深いことに、Caspase-8^<-/-> MEF細胞は小胞体ストレスによるアポトーシス誘導に対しても抵抗性を示した。また、片側の染色体上のカスパーゼ8遺伝子が欠損したヘテロ接合型の変異マウスは、加齢と伴に種々の組織においてリンパ球系細胞からなる腫瘍が高頻度で発生することが確認された。しかし腫瘍細胞を正常なマウスに移植しても、新たに腫瘍は形成されず転移能を有していないことが判明した。これらの結果より、カスパーゼ8を欠いた細胞は免疫細胞等によるデスレセプターを介した細胞障害性活性に対して抵抗性を示し、生体の防御機構から逃れることができるが、カスパーゼ8欠損細胞が不死化及び癌化するためにはさらに遺伝的変異が必要であると考えられた。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)